自民大勝でドル買い安心感、基調変わらず(10/23夕)

先週末にかけてのドル高基調が継続しているだけでなく、「自民党大勝・安倍政権継続」の流れが正式に決定したことで、

自民大勝でドル買い安心感、基調変わらず(10/23夕)

<< 東京市場の動き >>

週明け23日の東京市場は、ドルが小幅に続伸。一時は114円台を記録する局面も観測されたが定着はできず、113円台後半に押し戻されている。

前日に投開票された衆院選は、複数メディアで事前に予想されていたように与党・自民党が大勝し、安倍内閣の継続が事実上決定となった。それを好感した動きもあり、ドル/円は前週末のNYクローズ113.50-55円に対し、113.80-85円と下方向にギャップを空けて寄り付いている。
ドルはその後も続伸し、7月11日以来の114円台を回復、114.10円レベルの日中高値を記録したが続かなかった。調整と思しき売りに押されると113円台後半に軟化、16時時点は113.70-75円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、そうしたなか日経平均株価は本日も続伸、前日比239円高で史上初の15日連続上昇を記録した。

一方、材料として話題になっていたものは、前述した衆院選の結果を除くと、次期FRB議長の人事と北朝鮮情勢。ちなみに、後者に関して言えば、米FOXニュースはトランプ大統領がインタビューで「対北対応、すべての準備ができている」と述べたと指摘していたうえ、朝鮮中央通信は「北朝鮮、日本に強硬な自衛的措置行使も」と報じていたという。

<< 欧米市場の見通し >>

先週末にかけてのドル高基調が継続しているだけでなく、「自民党大勝・安倍政権継続」の流れが正式に決定したことで、マーケットにはさらなるドルの買い安心感が広がっているようだ。それが114円台までドル高を進行させた原動力になっていた感を否めず、また今後もドル高基調そのものは継続される公算が大きい。
しかし、短期的には早くも調整と思しきドル売りの動きも観測されており、こちらの動きにも一応要注意。ホンのわずかではあるが、113.50-60円レベルにギャップを空けたままであるため、まずはそれを埋めに来る展開を予想する声も聞かれていた。

テクニカルに見た場合、本日の東京時間に一時114円台を回復しており、次のターゲットは7月11日高値の114.49円。超えれば、心理的なフシ目である115円がターゲットとなりそうだ。基本的な流れはドル高・円安で間違いない。
しかし、流れとは裏腹に、足もとについては調整の動きが目先続くとした場合、移動平均の25日線などが位置する112円半ばが下値メドと予想されている。ドルには、さらに1円程度の下げ余地が残されているのかもしれない。

一方、材料面ではこのあと、9月のシカゴ連銀全米活動指数が発表されるほか、ステート・ストリートなど幾つかの米企業決算発表が予定されている。それらは当然要注意。
しかし、それよりも先週末にザラ場ベースで史上最高値を更新したNYダウやナスダックといった米株の動きならびに、金利情勢に注意を払いたい。後者と絡めては、近々正式決定される見込みの次期FRB議長人事が金融市場の波乱要因となる可能性もある。

以上を踏まえた本日欧米時間のドル/円予想レンジは、113.20-114.40円。ドル高・円安方向は、本日東京高値の114.10円レベルが最初の抵抗で、抜ければ7月高値114.49円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、113.50-60円にわずかに空けたギャップの攻防にまず注視。ただ、割り込んでも113円台では底堅く、大崩れは予想しにくい。(了)

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