<< 東京市場の動き >>
17日の東京市場は、112円前半でのレンジ取引。終日を通した値幅は30ポイントに届かないなど、目立った変動はうかがえなかった。
112.15-20円で寄り付いたものの、新規材料も乏しく、積極的な動意は手控えられる展開に。前日比80円高と小幅ながら、日経平均株価が11日連続の上昇をたどったものの、為替市場への影響は限定的なものに留まっている。
結局、ドル/円は112.05-30円といった30ポイントにも届かない極めて狭いレンジ内での一進一退で、目立った方向性はうかがえなかった。16時時点では112.20-25円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料として話題になっていたものは、北朝鮮情勢と日米経済対話に関するもの。前者については米CNNテレビが「匿名の北朝鮮当局者が、北朝鮮は米東海岸を射程に入れる大陸間弾道ミサイル(ICBM)が完成するまで、トランプ政権と交渉する意思はないと主張した」と報じていたという。
それに対し、後者は日経新聞から「ペンス米副大統領が日米経済対話で自由貿易協定(FTA)交渉を要望」との報道が観測されている。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル高値113.44円を記録した6日以降、調整局面入りしている感を否めないが、ドルの下値も111.60円台までで、早くも一服感がうかがえる。足もとについても、材料が決してないというわけではないものの、しばらくは112円台を中心としたレンジ取引で次の方向性を探る展開になるとの見方も少なくないようだ。
昨日もレポートしたように、やはり次の大きな材料は今週末に実施される日本の衆院選で、一部世論調査の予想通り自民党大勝が正式決定、安倍政権続投が決まれば再びドル高・円安が進行する−−ことになるのかも知れない。
テクニカルに見た場合、先週末に続き昨日もドルの下値は111.60円台まで。ドルは非常に底堅く、移動平均では111.75-80円に位置する200日線がサポートとして機能している様相がうかがえる。
それに対し、ドルの上値も目先的には112.30円、112.60円、112.80円など抵抗が多く、現状であれば113円台は意外に近くて遠いイメージもなくはない。結局、111円後半から112円台の居心地がよいため、いましばらくは狭いレンジ内での取引が続く可能性もある。
一方、材料面ではこのあと、9月の鉱工業生産や10月のNAHB住宅市場指数といった米経済指標が発表されるほか、ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁の講演、モルガン・スタンレーやゴールドマン・サックスによる決算発表−−などが予定されている。注目材料目白押しといった様相だが、経済指標で飛びぬけた数字が出たり、要人から目新しい発言が聞かれたりしない限り、インパクトは乏しいといった諦めに近い指摘も一部市場筋のあいだから聞かれていた。
以上を踏まえた本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.60-112.60円。ドル高・円安方向は、先週末からドルの上値をキャップしてきた112.30円レベルが最初の抵抗で、抜けると一目均衡表の転換線なども近い112.60円レベルなどがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、引き続き200日線が位置する111.75-80円の攻防に注目。ただ、そのスグ下である111.60-70円は短期的に何度も下げ止まっているレベルで、200日線を割り込んだとしてもドル安が加速する展開は見込みにくいのかもしれない。(了)
オーダー/ポジション状況
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