FX新レバレッジ規制(5)
本来レバレッジはどうあるべきなのかですが、これは10倍とか25倍とか固定されている方が不自然です。今回のレバレッジ規制案が出た時も過去の変動という言葉が出ていましたが、レバレッジはその商品のボラティリティを考慮する考え方であるべきです。
今年2月に法人口座のレバレッジが引き下げられた話は、当テーマの第1回でも触れましたが、金融先物取引業協会が提示するレバレッジは、為替リスク想定比率という考え方から毎週決定されます。これは簡単に言うとNEX Data Services社という第3者が提供するデータを利用し、過去26週と過去130週の標準偏差をベースによりリスクが大きい方を採用するという考え方です。
非常に理にかなった考え方であり、一律100倍とどちらが合理的かと聞かれたら、現行の方式の方が合理的であると言わざるを得ませんし、だからこそすんなりと移行したと言えます。金融先物取引業協会も業界関係者として、こうした考え方をベースに個人のFX口座は掛け目を50%とするといったような新たな案を対案として出すことこそが本来の協会の役目であると思います。
また、この考え方のルーツをたどるとCME(シカゴマーカンタイル取引所)がグローバルスタンダードとして広めたSPANがあります。SPANとはStandard Portfolio Analysis of riskの略で、こちらも簡単に言えば、ポートフォリオ全体で、翌営業日までの間にどの程度の相場変動リスクを抱えているかを、過去の相場変動のデータに基づいて計算して証拠金額を決定する手法です。
日本でもJPX(東証、大証)、TFX(東京金融取引所のインターバンク部門)、TOCOM(東京商品取引所)とすべての取引所における証拠金率(=レバレッジ)の根拠とされていて、これを採用していない取引所の方が世界では少ないというくらい有名です。この方式で計算すると、現在の証拠金額は円ドル1250万円に対して2500ドルですから、44倍程度とほぼ日本の法人口座のレバレッジと近いものがあります。
単に10倍というレバレッジを示すことはリスクに対する過剰な証拠金要請であり、世界の投資家から見ると、日本の当局こそが最も遅れているというイメージを植え付けることにならないか、正直なところ日本の投資家の一人として不安を感じます。今一度、知性を感じさせるレバレッジ規制を個人のFXにも導入するという方向で再考して欲しいものです。
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FX新レバレッジ規制(4)(17/10/12)
まず、FX業者の中でくりっく365だけが優遇されるのは本当ですか、と個別に問い合わせがありましたので書いておきます。
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