円、北への警戒続く依然として方向性乏しい(10/10夕)

10日の東京市場は、おおむね揉み合い。112円後半を中心とした30ポイント程度のレンジ取引で明確な方向性はうかがえなかった。

円、北への警戒続く依然として方向性乏しい(10/10夕)

<< 東京市場の動き >>

10日の東京市場は、おおむね揉み合い。112円後半を中心とした30ポイント程度のレンジ取引で明確な方向性はうかがえなかった。

112.65円レベルで寄り付いたものの、積極的な動意は手控え気味。東京市場は3連休明けのゴトー日(5・10日)ということで仲値不足観測が取り沙汰され、一時買われるも上値は112.80-85円まで。ドル高は続かなかった。
その後は、「Xデー」とされる朝鮮労働党創建記念日にあたる本日、北朝鮮情勢を懸念する声は少なくなったが、結局本稿執筆段階ではとくに挑発行為などもなく、マーケットの動意も見送られている状況だ。16時時点では112.55-60円で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料として話題となっていたもののひとつは、前述した北朝鮮情勢。トランプ米大統領から「米国の過去の対北政策は機能しなかった」とのコメントが聞かれていたほか、「国連が制裁決議違反で北船舶4隻に入港禁止措置」、韓国の中央日報による「カーター元米大統領、北朝鮮委員長との会談模索」といった報道も観測されていた。
また、それとは別に同じ中央日報が「中韓、通貨スワップ延長に事実上合意」と報じていたうえ、黒田日銀総裁から「2%の物価実現目指し、安定持続に必要な時まで緩和を継続」との発言が聞かれていたもよう。

<< 欧米市場の見通し >>

3連休明けとなるのは東京だけでなく、NYも同じ。市場に戻ってくる参加者の対応、需給要因がまずは注視されている。
材料を踏まえたマーケットのセンチメントについては、米金利あるいはファンダメンタルズをバックにしたドル買いが出やすいムードだが、引き続き「Xデー」を迎えている北朝鮮情勢が逆にドル高の足かせとなりそうだ。本日の東京時間をみるかぎり、レンジそのものは決して広くないが、なかなか激しい上下動をたどる可能性を否定出来ないかもしれない。

テクニカルに見た場合、昨日から本日ここまでの形成レンジは112.30-80円といった、わずか50ポイント程度に留まっている。これほどの小動きがさすがに長期化するとは思えないものの、ともかくまずは足もとの50ポイントレンジを上下どちらに抜けていくのか、その方向性を注視したい。
ちなみに、レンジを下放れた場合には移動平均の200日線が位置する111.85-90円、上方向に振れたとすれば113.44円の前回ドル高値がターゲットとなりそうだ。

一方、材料面を見た場合、本日も目立った米経済指標の発表は予定されていない。
そうした意味では動きにくい雰囲気だが、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁の講演が予定されており、そちらには要注意。なお、参考までにいえば、カシュカリ総裁は米金融業界の一部から次期FRB議長としての待望論も聞かれる人物で、「利上げ慎重派の急先鋒」とも知られている。弱気発言が聞かれれば、市場がドル売りで反応する危険性もないではない。

以上を踏まえた本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.00-113.20円。ドル高・円安方向は、本日東京高値の112.80-85円が最初の抵抗で、抜ければ113円レベル、そして前回高値113.44円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、ここ最近のレンジ下限である112.30円レベルの攻防が注視されている。割り込んだ際には当然111円台が視界内に捉えられるものの、大きく崩れる展開は予想しにくく、底堅いイメージに変化はない。(了)

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