<< 東京市場の動き >>
29日の東京市場は、ドル高・円安。それも3日連続の「寄り付き安・大引け高」で、本日もドルの強さを感じさせたまま大引けている。
寄り付いた112.25-30円を日中安値にドルはじり高推移。途中、北朝鮮に絡む懸念なども取り沙汰されたが影響は限定的だった。むしろ、週末・月末・四半期末に当たることでの駆け込み的な需給要因などが噂されドルの支援要因に。結局、夕方にかけて112.70-75円まで値を上げ、16時時点でも112.60-65円と日中のドル高値圏で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料として話題となっていたものは、またぞろ北朝鮮情勢。朝鮮中央通信は、北朝鮮を旅行中に拘束され、釈放から数日後に死亡した米国人学生ワームビア氏について、トランプ大統領が北朝鮮による拷問があったとコメントしたことに対し、北朝鮮外務省の声明をとして「トランプ大統領は老いぼれの精神異常者で、ワームビア氏の死を利用している」と非難したほか、米国の北朝鮮分析サイト「38ノース」は「北朝鮮で潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験の準備が進められている可能性」との分析を発表している。
また、別途日銀が9月20-21日の金融政策決定会合の主な意見を公表したが、そのなかで「追加緩和で総需要を一段と刺激必要」との文言が確認され、一部では円売り要因になっていたと言われている。
<< 欧米市場の見通し >>
9日につけた安値から、大きな調整もなくドルは6円近い上昇をたどっていることで、昨日の欧米時間を中心にさすがに調整が入った。ドルは目先高値から1円程度の下押しが入っている。
ただ、そのあとの展開を見ると、ドルの下値は予想以上に底堅いのかも知れない。目先は調整が続く可能性も否定できないが、大崩れは予想しにくい状況だろう。112円前後に位置する移動平均の200日線などが取り敢えずはサポートとして寄与しそうだ。
テクニカルに見た場合、ドル高基調そのものは依然として変化はなく、時間をかけつつ7月高値の114円半ばを目指す展開が見込まれている。
短期的には、昨日欧米時間からの流れを継いだ調整が続く可能性もあるが、下方向のテクニカルポイントは多く、一本調子にそれらを抜けていくイメージに乏しい。一例を挙げると前述した200日線が位置する112円前後のほか、直近上げ幅の23.6%戻しにあたる111.85円レベル、日足・一目均衡表の先行帯の雲の上限が位置する111.55円、移動平均の52週線が位置する111.35円レベル−−などとドル安方向にテクニカルポイントは目白押しだ。
一方、材料面を見た場合、8月のPCEデフレーターや9月のシカゴ購買部協会景気指数など幾つかの米経済指標が発表されるほか、ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁といった通貨当局者の講演も実施される見込みとなっている。それらにまずは要注意。
また、英国やドイツに関しても興味深い材料がなくはないが、個人的にはそれら要因よりも週末・月末・四半期末ということでの需給要因に注意を払いたい。「ロンドンフィキシング(日本でいう「仲値」のようなもの)」を前後して、相場が荒れる展開も!?
以上を踏まえた本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.00-113.20円。ドル高・円安方向は、112.80円レベルに弱い抵抗が存在し、その攻防をまずは注視。抜ければ113.26円の直近ドル高値が再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の112.25円レベルや、移動平均の200日線が位置する112円前後がサポートとして意識されそうだ。ただ、割り込んでも前述したようにサポートは多く、底堅いイメージ。(了)
オーダー/ポジション状況
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