<< 東京市場の動き >>
21日の東京市場は、ドル高・円安。それも結果として、「寄り付き安・大引け高」で、終盤の日銀総裁会見を受けたのちドル高が進行する展開となっていた。
112.15-20円レベルで寄り付いたのち、112.60円台まで値を上げるも上値は重い。昼すぎに発表された日銀会合の結果などを受けてもさほど目立った動きはなく、112.30-60円レベルでの揉み合いに。しかし夕方、黒田日銀総裁の会見が始まると再び円売りが活発となり、ドル/円は一時112.70円台へ。16時時点では、日中のドル高値圏である112.60-65円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料面として話題となっていたもののひとつは、引き続き北朝鮮情勢。19日のNY時間にトランプ米大統領が国連演説で発した「北朝鮮を完全に破壊する」とのコメントについて、メルケル独首相は「賛同しない」と発言、北朝鮮外相は「米大統領の脅しは犬の遠吠え」と述べたと報じられていた。
なお、前述した日銀会合の結果発表は、予想通りの「金融政策は現状維持」、その後の日銀総裁会見では「必要があればさらなる緩和を行う」「2%の物価目標の変更や放棄は適切ではない」−−との発言が聞かれている。
<< 欧米市場の見通し >>
8日に107.33円の年初来安値を記録後、10日足らずで5円を超える上昇をたどっている。NYの市場筋によると、「ともかく海外勢が強気でドルを買いまくっている」という。基調はドル高方向にバイアスがかかることは間違いないものの、ポジションも偏っており、そろそろ調整の動きにも注意を払いたい。FOMCという目先の材料をこなしたことで、次の関心は来月初めの米雇用統計か。それをにらみ、今月末などにかけて一時的にせよ調整的な下押しが入る可能性もありそうだ。
一方、国連演説でトランプ米大統領が過激なコメントを発したこともあり、北朝鮮情勢は依然として気掛かりだろう。日本時間の22日未明に日米韓3ヵ国の首脳会談が実施されるだけに、その対応を受けて、北朝鮮が今後さらに頑なな行動をとる危険性もないではない。
テクニカルに見た場合、上方向に位置するテクニカルポイントを連日上抜けてくる展開で、ともかくドルの基調は強い。ちなみに昨日は、前日超えられなかったNYクローズベースでも一目均衡表の先行帯の雲の上限(111.60円レベル)をしっかりと上抜けている。
フィボナッチで見た、7月高値114.49円を起点とした76.4%戻しに当たる112.80円レベルが次のターゲットだが、抜ければそれほど強い抵抗が見当たらない113円台はおろか114円台回復も視界内に捉えられそうだ。
一方、材料面を見た場合、9月のフィラデルフィア連銀景況指数や7月の住宅価格指数など幾つかの米経済指標発表が予定されており、それらにまずは要注意。また、日米に続くECBによる経済報告の発表やドラギECB総裁の講演などを警戒要因に挙げる声も少なくないようだ。
さらには、前述した日米韓3ヵ国の首脳による北朝鮮情勢を中心とした会談や、勢力をカテゴリー4から2へと弱めたとはいえ、今月上旬の「イルマ」と同じようなコースをたどっていると報じられているハリケーン「マリア」の動きなどにも注意を払いたい。
以上を踏まえた本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.90-113.10円。ドル高・円安方向は、7月高値114.49円を起点とした76.4%戻しに当たる112.80円レベルが次のターゲットで、抜ければ113円台回復を目指すことになる。
対するドル安・円高方向は、112.15-20円に位置する移動平均の200日線が最初のサポート。下回ると、111.90-00円が次のサポートに。(了)
オーダー/ポジション状況
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