ドル円 5月、7月高値形成時並の上昇レベル(9/21)

FOMCは21未明の声明で政策金利を据え置き(1.00〜1.25%)を全会一致で決定した。

ドル円 5月、7月高値形成時並の上昇レベル(9/21)

【FOMCメンバーによる主な見通し】

(1)17年の利上げ回数
 4回1人(前回4人)、3回11人(同8人)、2回4人(同4人)
(2)FF金利中央値 
 2017年 1.375%(前回1.375%)、2018年 2.125%(同2.125%)、2019年 2.6875%(同2.9375%)、2020年 2.875%
(3)PCE中央値
 2017年 1.6%(前回1.6%)、2018年 1.9%(同2.0%)、2019年 2.0%(同2.0%)、2020年 2.0%
(4)GDP
 2017年 2.4%(前回2.2%)、2018年 2.1%(同2.1%)、2019年 2.0%(同1.9%)、2020年 1.8%
(5)失業率
 長期 4.6%(前回4.6%)

【FOMCからドル全面高】

FOMCは21未明の声明で政策金利を据え置き(1.00〜1.25%)を全会一致で決定した。量的緩和で膨張したFRBの資産縮小については10月に開始、当初月額100億ドル規模の縮小とした。FOMCメンバーによる2017年の利上げ回数予想は最多が3回の11人で、3回予想人数は前回の8人から増加した。
市場は最近のインフレ指標の低迷、及びインフレ進捗への当局者による不満足さを示す発言等により、米連銀の金融政策姿勢はハト派とし、年内あと一回とされてきた追加利上げに対しても、12月の利上げ決定確率を5割以下としてきた。FOMC直前では5割を若干上回っていたようだが、発表後には7割強へと上昇した。また2018年についても引き締め姿勢が継続していくことが再認識された。

FOMC声明、議長会見からドルはほぼ全面高となり、ユーロ、円、豪ドル等が急落、ドル円は110.10円から112.50円台まで急伸した。この結果、9月8日安値107.32円からの上昇は、9月15日朝の北朝鮮ミサイル発射による一時的反落を押し目として上昇継続し、さらにFOMCから一段高となって上昇基調の継続性を示したと思われる。

【日足 一目均衡表分析】

【日足 一目均衡表分析】

日足の一目均衡表では先行スパンを上抜いてきている。また9月8日からの上昇幅は5円を超えてきている。上昇レベルは4月17日安値から5月11日高値114.36円まで6.23円幅となった上昇、6月14日安値から7月11日高値114.49円まで5.69円幅となった時の上昇レベルに迫っている。このため、チャート上の節目は5月11日高値、7月11日高値のある114円台前半まで切り上がる可能性が考えられるが、5月と7月の二度、114円台で崩されているので、仮に114円台へ上昇するところは戻り売りが出やすい水準と思われる。
ただし、5月11日高値を7月11日高値ではわずかに上回り、6月14日安値を9月8日安値で下回っており、この間の往来相場はレンジを上下に拡張しているので、7月11日高値を上回る可能性も考えておく必要があるかもしれない。

日足レベルでは先行スパン上部となる 111.60円台が下値支持線となり、それを上回る内は上昇継続余地ありと考える。先行スパンへ潜り込み、続落し始める場合は中勢レベルの弱気転換注意、109円台中盤へ下落する場合は先行スパンから転落となるために下落再開と考える。
3月10日から7月11日までは2か月間隔での高値、安値形成であったが、今回は7月11日から9月8日までの下げが2か月を要し、6月14日安値からは3か月弱の日柄を要したので、高値形成期は7月11日高値から3か月弱となる9月末から10月初頭にかけての間と想定される。(了)<9:20執筆>

【当面の主な予定】

未定   (日) 日銀金融政策決定会合結果公表
未定  (SA)  南ア準備銀行(SARB)政策金利発表 (現行6.75%)
07:45 (NZ) ニュージーランド4-6月期GDP 前期比 (前期 +0.5%、予想 +0.8%)
07:45 (NZ) ニュージーランド4-6月期GDP 前年比 (前期 +2.5%、予想+2.5%)
15:30 (日) 黒田日銀総裁記者会見
18:30 (欧) プラートECB理事講演
21:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 28.4万件、予想 30.0万件)
21:30 (米) 9月フィラデルフィア連銀製造業指数 (8月 18.9、予想 17.0)
22:00 (米) 7月住宅価格指数 前月比 (+0.1%、予想 +0.4%)
22:30 (欧) ドラギECB総裁講演
23:00 (米) 8月景気先行指数 前月比 (7月 +0.3%、予想 +0.2%)

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