FOMC後ドル上昇
10月に保有資産縮小開始、年内利上げ予想不変、先行きの金利は下方修正
今朝方FRBは、FOMCの結果政策金利を据え置き10月に4兆5千億ドル規模の保有資産の縮小を開始すること決定したと発表しました
声明ではインフレ率の低い水準が続いているとしつつも、ハリケーンが中長期で経済に与える影響は軽微で経済活動は緩やかなペースで拡大するとの見方を変えていません。
資産縮小に関連する部分以外では、前回声明文に比べ今回は企業の設備投資の伸びが「上向いた」と判断をやや進めたこと、一時的としながらもハリケーンによるガソリンやその他の製品の価格上昇が物価を押し上げるとの予測が含まれていた部分にやや意外感がありました。
一方で先行きの政策金利に関しては年内の後一回、来年三回の利上げの見通しは不変としながらも、委員の金利見通しの分布を示すいわゆる「ドットチャート」では下方修正が目立ち、見通し平均値も2019年が0.1%低下、より長期の金利に関しては3.0%から2.8%へと下がるなどむしろ軟調です。
市場はドル買いに反応、年内利上げの確率70%超へ
発表を受けドルは一旦は売られドル円は111.12まで下落したものの、瞬時に上昇に転じ高値112.53をつけて東京時間6:30現在は112.30近辺での取引。ユーロドルも1.2033まで上昇の後1.1862に下げ1.1890近辺で推移しています。
FOMCの内容はほぼ予想の範囲内、議長記者会見にもサプライズはありませんでしたが、ハリケーンの影響による物価の短期的上昇との視点が加わり年内再利上げの可能性が上昇したことがドルを支えた形です。
昨晩58%程度だったCME FEDWATCHによるFRBの12月利上げの予想確率は今朝の時点では70%に上昇しています。
ドル円200日移動平均を上回って推移
FOMCでは大きなサプライズがなかった割にはドルが買われた印象です。ドル円は今朝の上昇で一目均衡表の雲を上抜け、112.20近辺の200日移動平均もクリア、この水準を終日維持した場合、テクニカル的にはドル高円安方向に大きく道が開かれた形となります。
ユーロドルも、中期上昇トレンドの下限には到達しなかったものの21日移動平均を下回り、4営業日分の上昇を失った形です。
ただ、米国の12月利上げに関しては、未だ確信できる状況とは言えず、また、中期的な経済見通しはむしろ軟化したとも言え、ドルの揺り戻しの動きが生じる可能性も否定できません。いずれにせよ年末まで物価指数等米経済指標への注目度が一層上がりそうです。
本日は日銀政策発表
本日は昼ごろに日銀政策決定会合の結果発表が予定されていますが無風の予想、15:30からは黒田総裁の記者会見があります。
また、この後7:45にはニュージーランドの2QGDPの発表があり、前年比+2.5%の伸びが予想されています。
オーダー/ポジション状況
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