北朝鮮情勢、依然として相場の波乱要因に(9/11夕)

週明け11日の東京市場は、小幅ながらドル高・円安。下方向にギャップを空けて寄り付いたのち、ドルは強含みに推移している。

北朝鮮情勢、依然として相場の波乱要因に(9/11夕)

<< 東京市場の動き >>

週明け11日の東京市場は、小幅ながらドル高・円安。下方向にギャップを空けて寄り付いたのち、ドルは強含みに推移している。上値は重く、さらなるドル高の進行も限られたが、108円台前半では底堅かった。

多くの市場参加者などからXデーと目され警戒されていた、先週末9日、北朝鮮による軍事行動が実施されなかったことを受け、目先の地政学リスクが後退したとの見方が広がると、為替市場は「ドル高、円安」で寄り付いた。円は対ユーロやポンドなど、クロスを含めて全面安でオープンしている。
前週末を107.80-85円で大引けたドル/円は、108.15-20円で寄り付いたのち、底堅い値動き。上値も108.60-65円までと限られたが、結局日中に一度も108円を割り込めず。16時時点では、本日のドル最高値圏である108.55-60円で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料面として話題となっていたものは、本日もまずは北朝鮮情勢。11日にも決定される国連安保理決議について、北朝鮮は「制裁決議採択なら、さらなる軍事挑発辞さない構え」と恫喝の構えを崩さず。そうしたなか、北朝鮮を訪問していたアントニオ猪木議員が帰国の途に付き、記者団に「北朝鮮側は核ミサイル開発などを続けます、と指摘していた」と発言していた。

<< 欧米市場の見通し >>

9日のミサイル発射見送りなどもあり、北朝鮮リスクが足もとやや後退しているものの、完全に払拭されたというわけではなく、根っこの部分は依然としてくすぶり続けたままだ。したがって、本日の欧米時間にかけては北朝鮮に関する2つの注目材料が予定されるが、それらの内容如何では再び円買いが進行する危険性もないではない。関連する報道などには十分に注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、ドル下値リスクはくすぶるものの、107.32円を付けたのち1円以上の戻りを達成している。それを踏まえ、8月31日の目先ドル高値110.67円を起点としたフィボナッチの観点からドルの戻りのメドを考えると、直近下げ幅の38.2%戻しは108.60円レベルで、半値(50.0%)戻しは109円レベルなどとなる。
それに対するドルの下値メドは、本日早朝に空けたまま埋め切れていない107.80-108.15円のギャップになる。

一方、材料面を見た場合、とくに目立った米経済指標の発表などは予定されておらず、そうした意味では動きにくそうな雰囲気。
しかし、米フロリダ州に上陸した大型ハリケーン「イルマ」の被害が徐々に明らかになりつつあり、マーケット的には今後の米経済に与える影響について関心が高まりつつあるようだ。また、それとは別に、前述した2つの北朝鮮に関する材料にも要注意。具体的に言えば、ひとつは11日にも決定される国連安保理決議についてで、内容次第では北朝鮮が事前に恫喝していたように「さらなる軍事挑発」に動く可能性もある。さらに、「スイスで開催される官民共催の会合に参加する北朝鮮の幹部が米国の元政府当局者らと、11日にも非公式に接触する」−−との報道も観測されており、こちらも一応注意しておきたい。

以上を踏まえた本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.00-109.20円。ドル高・円安方向は、本日の東京時間高値の108.60円レベルの攻防にまずは注視。同レベルは前述したように、フィボナッチで見たテクニカルポイントにも合致する。超えれば、週足・一目均衡表の109円、109.40円レベルなどがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日早朝に空けたまま埋め切れていない107.80-108.15円のギャップがサポートとして意識されそうだ。(了)

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