<< 先週の回顧 >>
先週のドル/円相場は、ドル安・円高。週末にかけては108.13円の年初来安値を更新し、一時107.32円まで下落する局面も観測されている。
先週は久しぶりに「荒れた週明け月曜日のオープン」となった。110.25円レベルで前週末のNYを大引けたドル/円は、週明け109.45-50円と上方向に1円近い大きなギャップを空けて寄り付いている。これは、前日に「北朝鮮が6回目の核実験を行った」ことが嫌気されていたためで、取引開始からリスク回避志向が強かった。
ただ、その後はしばらくのあいだ底堅く、109円挟み、109円±50銭程度のレンジで揉み合いとなるも、7日の欧米時間に底割れすると、そのまま一気に107円台へと大幅続落を記録している。ドルは107.32円の年初来安値を示現後、やや値を戻すも頭は重い。結局、週末のNY時間は107.80-85円でクローズし、越週している。
一方、週間を通した主な材料は、大きく2つ。ひとつは引き続き「北朝鮮に関する要因」で、前述したように前週末に「北朝鮮が6回目の核実験を実施」するなか、聯合ニュースが「北朝鮮のミサイル発射準備を確認した」と報じ、また李韓国首相が根拠を示さなかったものの「北朝鮮は建国記念日の9日にミサイルを発射する可能性」と発言したことなどが材料視され、ドル売り・円買い要因となっていたことは間違いない。
もうひとつの材料は、米ハリケーンに関する様々なニュース。8月末に米国を襲った「ハービー」の傷が癒えないなか、次の「超大型ハリケーン・イルマ」が再び米国を襲来するとの報道もあり、マーケットの波乱要因に。
<< 今週の見通し >>
先週のマーケットで話題となっていた2つの材料だが、北朝鮮についてはXデーと目された先週末9日に、またぞろ牽制的な発言は聞かれたものの、具体的な行動は実施されなかった。油断は禁物だが、マーケットが今後徐々に落ち着きを取り戻す可能性も否定出来ない。
それに対して、超大型ハリケーンについては、まだ先行きが不透明だ。ただ、深刻な被害が広がるようだと、改めてリスク回避の株安・円高が進むとの見方が聞かれる反面、反対に懸念ほどの被害が見られなければ、過剰なリスク回避の流れが一服するとの指摘も聞かれていた。いずれにしても、円高リスクはくすぶるものの、動静如何でむしろドルの反発に注意する必要があるのかも知れない。
テクニカルに見た場合、ドルは先週末に107.32円で下げ止まったものの、チャート的には107円台に目立ったポイントはうかがえない。仮に再び円高が進行し、先週末安値を下回るようだと昨年6月に記録した安値98.65円を起点とした大きな上昇幅を参考にしたフィボナッチの61.8%戻し106.30円がターゲットとなりそうだ。
ただ、改めて指摘するまでもなくポジションの偏りが著しいため、戻り始めるとドル高の進行は予想以上に速いとの指摘も少なくない。週足・一目均衡表の先行帯の雲の下限が位置する108.65円レベルが最初の戻りのメドか。
一方、材料的には、今週も幾つか米経済指標が発表される予定となっており、まずはそれに要注意。また、週の半ばにかけて実施される米債の入札を注視している向きも少なくないようだ。
しかし、それらよりも、先週からの継続案件である「北朝鮮情勢」ならびに「米ハリケーン動向」に注意が必要かも知れない。前者についてはXデーを無事に乗り切ったとはいえ、思わぬタイミングで再びミサイル発射などに動く可能性を否定できないうえ、後者については発生する被害を受けたマーケットの反応についても見方が分かれている。すなわちポジティブ派は「復興・復旧事業が米国経済を下支えしていく」などと予想している反面、ネガティブ派は「今後発表される米経済指標の下振れなどにも繋がり、年内利上げ観測が遠のく」−−と指摘していた。
そんな今週のドル/円予想レンジは、107.00-109.80円。ドル高・円安については、先週にNYクローズベースでも下回ってきた週足・一目均衡表の先行帯の雲の下限が位置する108.65円レベルが最初の抵抗で、抜けると109円半ばや、110円前後に位置する上値のギャップなどがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、先週末安値の107.32円をめぐる攻防をまず注視。割り込むようだと、107円割れが現実味を帯びてくる。(了)
オーダー/ポジション状況
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