<< 東京市場の動き >>
8日の東京市場は、ドル安・円高。108円を割り込みドルは年初来安値を更新すると、一時107.60-65円まで値を下げる局面も観測されていた。
108.30-35円で寄り付いたものの、終日を通してドルは冴えない。緩やかな右肩下がりの展開が続く格好で、午後になり底堅かった108円を割り込むと、一気に107.60-65円レベルまで値を下げた。レベル的には昨年11月14日以来のドル安値を記録したことになる。Xデーを前にした北朝鮮情勢への警戒感に加え、米金利の低下が嫌気され、ドル売り・円買いに繋がっていたという。
また、その後もドルの戻りは鈍く、本稿執筆段階で一度も108円台の回復を果たせていない。16時時点では、107.65-70円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料面として話題となっていたもののひとつは要人発言。たとえば、NY連銀総裁による「金融政策の緩和解除を続けるのが適切」「低調なインフレで市場の利上げ期待が後退」とのコメントや、カンザスシテイ連銀総裁からの「米国は完全雇用、インフレ率は比較的緩やか」「政策金利の引き上げを続ける時期」−−との発言が注目を集めていた。
なお、そうしたなか米地質調査所は「メキシコのトレスピコス近くでM8の地震発生」と発表している。
<< 欧米市場の見通し >>
8月が月間を通して108-111円といったボックス相場に留まるなど総じて動意の乏しかったドル/円だが、本日の東京時間にいよいよ底割れしてきた。107.60-65円まで値を下げ、昨年11月14日以来のドル安値を記録している。
債務上限問題が一息ついたとはいえ、政権運営不安や長期金利の低下などの米国ファクターを無視することも出来ないうえ、建国記念日にあたる週末9日がXデーとされる北朝鮮情勢への警戒感がドル売り・円買いを後押ししていることは間違いない。ポジション的にはドルショートがかなり溜まっているものの、短期的にはいま一段のドル安進行に注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、リスクは間違いなくドル安・円高方向にバイアス。年初来安値を更新したことで下値メドは予想しにくくなった。
ただし、昨年6月に記録した安値98.65円を起点とした大きな上昇幅を参考にしたフィボナッチによると、半値(50.0%)戻し108.65円はすでに下回っており、次のターゲットは61.8%戻しに当たる106.30円となりそうだ。さらに1円以上もドル安が進行する危険性も、一部で取り沙汰されている。
一方、材料面を見た場合、7月の卸売売上高などの米経済指標が発表されるほか、ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁による講演も実施される予定で、それらにまずは要注意。
ただ、そうした要因よりも北朝鮮情勢ならびに、9日にはフロリダ州南部に到達するとされるカリブ海の大型ハリケーン「イルマ」の動きなどが警戒されているようだ。なお、北朝鮮情勢については、Xデーとされる今週末にミサイルの発射などが実施されても実施されなくても、来週はじめの為替取引スタートに警戒を払っておきたい。ドル/円などは大きなギャップを空けて寄り付く可能性もある。
以上を踏まえた本日欧米時間のドル/円予想レンジは、107.00-108.50円。ドル高・円安方向は、本日の東京時間に割り込んできた108円レベルの攻防にまずは注視。超えれば、週足・一目均衡表の先行帯の雲の下限が位置する108.65円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、年初来安値を下回ったことで、107円台などに短期的な強いサポートがうかがえない。東京時間安値の107.60-65円をしっかり下回ると、チャート的には106円台もみえてくる。(了)
オーダー/ポジション状況
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