<< 東京市場の動き >>
1日の東京市場は、「行って来い」。一時ドル安・円高に振れ、110円割れ寸前まで下落するも続かず、結局寄り付きレベルまで戻している。
110.20-25円で寄り付いたのち、当初ドルは底堅い。仲値決定(10時)前後に110.40-45円の日中高値を記録している。
しかし、そこから流れが一変すると、ドルは急落に転じ、一気に110円割れをうかがう展開に。ただ、110円を割り込めなかったことで、再びドルの買い戻しが観測されると、16時時点では寄り付きレベルに近い110.20-25円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、それとは別に、東京時間は豪ドルが荒れ模様。対円では、前日の流れを継ぎ88.70円レベルまで値を上げたものの、豪中銀による「政策金利据え置き発表」や、「豪ドル高により成長や物価は予想よりも鈍くなる可能性」とのコメントが嫌気され、一時急落する局面も観測されていた。
一方、材料面としては、前述した豪ドルに関する要因以外で、ロイターが「英金融業界、ブレグジットで最大4万人の雇用が打撃=調査会社」、聯合ニュースは「中国が、高高度防衛ミサイル(THAAD)発射台の臨時配備で韓国大使呼び抗議」と報じたものの、ともに目立った影響は見られず。
<< 欧米市場の見通し >>
為替市場には「まだはもうなり、もうはまだなり」−−という格言があるが、足もとの展開はまさにそんな感じだ。直近の6月高値から4円以上下落し、「もうそろそろ」と底入れを予想する声が聞かれ始めているのに、一向に下げ止まらない。本日の東京時間に110円は辛うじて維持したものの、やはりこのあと110円を割り込む展開をみないと収まりがつかない気がしている。もう少し、ドル安・円高傾向は続く可能性も否定できない。
なお、今年の相場パターンである「奇数月にドルは高値をつけ、偶数月に安値を記録する」−−だが、後者の偶数月をもう少し精査すると、もっとも底入れが早かった2月で「7日」、遅ければ4月の「17日」が底入れ日となっていた。飽くまでも、経験則を参考にすれば、という条件付きだが、ドルの底入れは早くても来週以降となるのかもしれない。
テクニカルに見た場合、一目均衡表の雲の下限が切り上がってきた(昨日111.40円、本日111.70-75円)こともあり、日足が雲を下回っての推移となっている。これは、6月26日以来のことになる。
ちなみに、一目の雲は、今後徐々に値幅をなくしつつ、緩やかな上昇傾向が見込まれており、それと歩調を合わせ実勢相場のドルも上昇することが出来るのか、要注目だ。
一方、材料的に見た場合、6月のPCEデフレーターや7月のISM製造業景況指数といった、なかなか重要な米経済指標の発表が予定されており、それらは当然要注意。
また、アップルをはじめとする米企業の決算発表や、昨日もスカラムッチ米広報部長が就任からわずか10日間で解任されたことが明らかになるなど、依然としてゴタゴタ続きのトランプ政権をめぐる一挙手一投足も、相場の波乱要因として注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.60-110.80円。ドル高・円安方向は、一目均衡表の先行帯の雲の下限が位置する110.70-75円が最初の抵抗で、抜ければ111円台回復が見えてくる。
対するドル安・円高方向は、東京時間に割り込めなかった心理サポートの110円をめぐる攻防にまずは注目。割り込むと、109円台に強いサポートがうかがえないことが気掛かりで、一気にドルの下値は波乱含みの様相にも!?(了)
オーダー/ポジション状況
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