揺らぐドル高基調、FRB議長発言に要注意 (7/13夕)

13日の東京市場は、ドル安・円高。一時ドルが持ちなおす局面も観測されたが続かず、結局終日を通したドルの安値圏で大引けている。

揺らぐドル高基調、FRB議長発言に要注意 (7/13夕)

<< 東京市場の動き >>

13日の東京市場は、ドル安・円高。一時ドルが持ちなおす局面も観測されたが続かず、結局終日を通したドルの安値圏で大引けている。

113.15-20円で寄り付いたあと、しばらくはドルが堅調。113円半ばまで値を上げたものの続かず、113.15-20円へと短時間で値を下げた。結果、「行って来い」。米長期金利低下に加え、日経平均など株価が上げ渋ったことが嫌気され、為替市場も円買いで反応していたという。
しかし、ドル/円は113円前半で下げ止まらずにドルが続落、一時112.86円まで下を拡大させた。16時時点では、やや値を戻した113.10-15円で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料面では、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が「韓国政府に、米韓の自由貿易協定(FTA)見直しに向けた特別合同委員会の設置を要請」との報道が観測されたほか、6月の中国貿易収支が発表され、黒字幅は予想を上回る結果となった。
後者については、豪ドル相場の変動に影響を与えていた感があるものの、ドル/円に関してはそれほど大きな影響は見られず。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日は、「ドル高という従来の基調そのものに変化は見られないものの、115円台乗せに向けた動きは一旦仕切り直しとなった感を否めない」とレポートしたが、その後の値動きをみると、根幹であるドル高基調のそのものへの揺らぎも感じ始めている。むしろ、ジワリとドルの下値不安が高まってきた気もしないではない。
いずれにしても、昨日に続き実施されるイエレンFRB議長の議会証言内容などは要注意であり、その内容如何では上下どちらに動いても不思議はないだろう。動静をしっかりと見極めたい。

テクニカルに見た場合、昨日の欧米時間に続き本日東京でも一時113円割れを観測している。フィボナッチの観点では、6月安値から直近高値114.49円までの上げ幅の23.6%押しである113.15円レベルを割り込んできたことになり、次のターゲットは38.2%押しの112.30円レベルとなりそうだ。なお、同レベルの近くには移動平均の25日線も位置しており、強いサポートとして意識される可能性もある。

一方、材料的に見た場合、前日に続き本日もイエレンFRB議長の議会証言がもっとも注視されそうだ。もともと「ハト派」に分類されるイエレン氏だが、昨日の発言は追加利上げに消極的とも捉えられる内容だった。本日も同様の発言が示されるようだと、新味はないが少なくともドルを積極的には買いにくい状況が続くことになるかもしれない。
なお、米30年債の入札や6月の米生産者物価指数の発表のほか、新展開の様相をみせる「ロシアゲート」をめぐる諸問題の続報などにも引き続き注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.60-113.80円。ドル高・円安方向は、本日の東京時間高値の113円半ば、そして昨日NY時間高値の113.75円レベルなどの攻防を注視。114円レベルは、なかなか遠い存在になりつつある気もしないではない。
対するドル安・円高方向は、東京安値の112.85円レベルが最初のサポートとして意識されそうだ。割り込んだ場合には、移動平均の25日線などが位置する112.30円レベルが次のターゲットに。(了)

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