<< 東京市場の動き >>
23日の東京市場は、おおむね揉み合い。111円台前半での一進一退で、明確な方向性はうかがえなかった。
111.30円レベルで寄り付いたものの、商いは低調。株価など他金融市場をにらみつつ、積極的な売買は手控えられている。
動意という点では、週末の実質ゴトー(5・10)日ということで、仲値不足観測が一部で取り沙汰されると、若干ドル高が進行する局面が観測されたものの、111円半ばには届かなかった。終日を通した値幅はわずか20ポイント強。16時時点では、寄り付きレベルに近い111.25-30円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的には、「東芝が有価証券報告の提出延長へ、23日中にも申請」「ロシア海軍がシリア内のIS目標に向け巡航ミサイル6発発射」などの報道が観測されたほか、トランプ米大統領から「一帯一路の取り組みで中国と協力の意思ある」との発言も聞かれたものの、いずれも相場への具体的な影響は限られた。
<< 欧米市場の見通し >>
相場はますます膠着の様相を強めている感を否めない。実際、時間足など短期のチャートを見ると、先週15日の欧米時間以降、すでに1週間以上も110.50-111.80円といったレンジ内に留まっていることがうかがえる。
材料が少なくないだけに、このあとの欧米時間にレンジ放れを達成することを期待したいが、如何せん再三再四指摘しているように110-112円は「何故か居心地が良い」。次の方向性が示される展開は、来週へと持ち越しされる可能性も否定できない。
テクニカルに見た場合、引き続き変化に乏しい足形だ。実勢相場の動意の乏しさもあり、日足ベースでは移動平均や一目均衡表などで見たテクニカルポイントが110-111円台に集中、混沌とした様相を呈している。
したがって、どこがドルのレジスタンスで、どこがサポートなのかは、あまり意味をなさない気もしないではない。ともかく、前記した過去1週間あまりのレンジ110.50-111.80円のどちらに抜けていくのかを注視してみたい。
一方、材料的に見た場合、6月の製造業総合PMI速報や5月の新築住宅販売件数といった発表される米経済指標にまずは要注意。また、本日はブラード・セントルイス連銀総裁や メスター・クリーブランド連銀総裁、パウエルFRB理事など中銀関係者による講演が相次ぐことから、その内容にも注意を払いたい。
ここ最近の傾向を大雑把にいえば、「悪い米経済指標」vs「強気の米通貨当局者発言」という構図がうかがえるだけに、本日は指標と発言のどちらに軍配が上がり、そしてどちらの方向に動くのだろうか。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.70-111.80円。ドル高・円安方向は、目先のドル高値圏であり、一目均衡表の先行帯の雲が位置する111.80円レベルがターゲットに。抜ければ当然112円を目指す展開が予想されるものの、引き続き近く遠いイメージであることに変わりない。
対するドル安・円高方向は、110.80-85円までレベルを切り上げてきた移動平均の200日線をめぐる攻防にまずは注視。なお、同レベルはザラ場だけでなく、NYクローズでも上回れるか否かも依然として注目されている。(了)
オーダー/ポジション状況
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