ドル円111円挟み方向性乏しい値動き継続か(6/22夕)

22日の東京市場は、ややドル安・円高。前日には割り込めなかった111円レベルを一時下回る局面も観測されたが底堅く、定着するまでには至らなかった。

ドル円111円挟み方向性乏しい値動き継続か(6/22夕)

<< 東京市場の動き >>

22日の東京市場は、ややドル安・円高。前日には割り込めなかった111円レベルを一時下回る局面も観測されたが底堅く、定着するまでには至らなかった。

111.30-35円で寄り付いた直後に日中高値の111.45円レベルを記録し、以降はドルが冴えない。じりじりと下値を切り下げ、昼前には110.95円レベルの日中安値を示現している。原油価格の続落を受け、米長期金利が押し下げられたことなどが嫌気され、ドル売り・円買いに寄与していた面もあるという。
ただ、111円以下のレベルでは下げ渋る値動きで、午後にかけては111.00-20円と極めて狭いレンジ内での膠着相場に。結局、16時時点では111.10-15円で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料的には、ロシア外務省が「制裁強化に反発し、米高官との協議取りやめる」と発表したほか、時事通信からは「タカタ、26日にも民事再生法申請で最終調整」との報道も。また、トランプ大統領による「米国は世界でもっとも高税率の国のひとつ」とのコメント、岩田日銀副総裁からも「2%物価できるだけ早期に実現するため緩和推進」との発言が聞かれたが、いずれも決め手に欠けた格好で、相場への影響は軽微に留まった。

<< 欧米市場の見通し >>

一昨日と昨日の2度、ドルは111.80円レベルまで上昇するも抜け切れず。112円を前に跳ね返され、足もとは小安い展開をたどっている。上値は重そうで、112円を抜けるにはいま少しの時間が必要だと思われるが、一方でドルの下値も堅く、大崩れするような値動きは見込みにくい。再三再四指摘している、「何故か居心地の良い」110-112円レンジにおける一進一退がもうしばらく続き、明確な方向性の乏しい状態が継続する可能性が高そうだ。

テクニカルに見た場合、前日とあまり代わり映えのしない足形で、変化に乏しい。ただ、実勢相場の小動きを受け、移動平均では短期5日線から長期200日線までが、111円を中心とした上下50銭程度の1円レンジ内に収れんされてきた。
逆説的な話になるが、こうした状況は、過去の経験則を見た場合、それほど遠くない将来にレンジ放れを予兆させるシグナルであるため、思わぬタイミングでの大きな価格変動にもそろそろ警戒を要しておきたいところだ。

一方、材料的に見た場合、5月の景気先行指数や6月のカンザスシティ連銀製造業活動指数といった発表される米経済指標にまずは要注意。通常であればあまり注視されない小粒な指標だが、先週来、発表される米経済指標の数値が予想値と乖離することもあり、相場の波乱要因となることが少なくない。本日も指標発表を前後して相場が一時的にせよ、荒れるも動きをたどる可能性もある。
また、別に実施されるパウエルFRB理事による「上院銀行委員会の公聴会で証言」や、FRBが「ドッド・フランク法」に基づくストレステストの結果を発表することになっていることにも注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.60-111.70円。ドル高・円安方向は、移動平均の75日線(111.30-35円)の攻防が注視され、抜ければ一目均衡表の先行帯の雲などが位置する111.80円レベルがターゲットに。112円は引き続き近く遠いイメージであることに変わりない。
対するドル安・円高方向は、ジワリと110.75-80円までレベルを切り上げてきた移動平均の200日線をめぐる攻防に注視。同レベルはザラ場だけでなく、NYクローズでも上回れるか否か動静を見極めたい。(了)

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