ニュージーランド中銀の金融政策結果
本日、NZ中銀はキャッシュレート(中銀政策金利)を現行の1.75%に据え置きを決定しました。エコノミスト予想通りの結果となっています。
要旨内容は前回会合(5月)と基本的にほぼ同じとなっています。消費者物価指数が中銀インフレ目標値の中間に達成した動きは一時的と見做し、今後のインフレは緩やかな上昇との見通しを変えていません。
全く文面が変わったのが、前回は貿易加重平均でNZドル安であったのが、今回はNZドル高になっており、NZドル高への懸念までは言及していないもの、通貨安への期待感はニュアンスとして残しています。
NZドル/米ドルは金融政策発表前に0.7210〜15米ドルで推移していましたが、発表後に0.7270米ドルまで急騰し、現在は0.7245〜50米ドル付近で推移しています。この水準は、昨日段階での抵抗線であり、越えればサポートになる水準です。
今日の動きを見ると、引き続き短期的なNZドル高への戻りを試している状況となっています。今朝の高値が直近のダブルトップになっているので、次回トライで上抜けば、0.7320〜30米ドルが見えてきます。逆に0.7240米ドル切れば、0.7190〜0.72米ドルの下押しが先になりそうです。(6月22日10:45、1NZドル=0.7248米ドル)
中銀声明要旨
中銀の要旨は以下となっています。
世界経済は更に幅広い地域で拡大した。しかしながら過剰供給や政治的不確実性は残っている。
主要なインフレは幾つかの国で上昇したが、エネルギー価格の下落により緩やかな上昇に留まっている。コアインフレや長期国債イールドは依然低いままだ。金融政策は先進国で緩和気味に推移しているが、先行き(の緩和基調)は低下している。
貿易加重平均の為替レートは、5月以降約3%上昇した。これは輸出価格上昇による影響を一部受けている。NZドル安は貿易セクターに対して、リバランスの手助けになっている。
3月末期のGDPは予想以下であった。これは貿易輸出量の減少や、強い消費に相殺された居住用建設が弱かったためである。にも関わらず、先行きの見通しはポジティブである。これは緩和基調の金融政策、増加する移民、貿易拡大が支えている。2017年予算で発表された変更も成長の伸びを支えるだろう。
住宅価格インフレは緩やかな上昇に留まり、とりわけオークランドでそれが見られる。
住宅価格インフレの低下は、住宅価格に対するローン規制、それによる貸付け状況の厳格化の影響を受けている。需給のインバランスを解消している時期にも関わらず、先行き緩やかな上昇見通しは変わっていない。
3月末期の主要インフレ上昇は主に貿易に関するものであり、とりわけ石油と食料価格の影響を受けたものである。これらの影響は一時的なものであり、次第に落ち着くだろう。非貿易関連や賃金インフレは依然緩やかで、先々も緩やかな上昇を見込んでいる。これらを勘案すれば、中期的には目標インフレ率の中間地点まで上昇すると予想している。長期インフレ見通しは2%付近で落ち着く見通しを変えていない。
金融政策はまだ暫くの間、緩和基調を維持されるだろう。幾つかの不確実性が残っており、この金融政策が調整していくとみている。
(要旨は以上)
(注)NZ中銀金融政策会合要旨は一部を和訳したものであり、詳細は金融政策要旨本文をお読みください。
次回の金融政策は2017年8月10日に予定されています。
(以上)
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