ドル円 注目材料多く、波乱含みの展開も(6/8夕)

8日の東京市場は、ややドル安・円高。寄り付き後、一時はドルの上値を試す展開となるも続かず。その後は一転してドル売りが優勢となった。

ドル円 注目材料多く、波乱含みの展開も(6/8夕)

<<東京市場の動き>>

8日の東京市場は、ややドル安・円高。寄り付き後、一時はドルの上値を試す展開となるも続かず。その後は一転してドル売りが優勢となった。

109.80円レベルで寄り付いたのち、当初ドルは底堅い値動き。早朝に「北朝鮮が飛翔体を発射した」との報道が観測されたものの、地政学リスクの円買いはほとんど盛り上がらず。むしろ、109.70円レベルを安値に小じっかり、110円台をわずかに超える局面も観測されていた。
しかし、午後に入ると徐々に売りがかさむ展開となり、途中でストップロスを巻き込むと、109.30円台まで一気に下落。大引けにかけては、若干値を戻し、16時時点では109.55-60円で推移し、欧米時間を迎えている。

材料的には、先の「北朝鮮が飛翔体を発射」のほか、北朝鮮の労働新聞が「米との対決姿勢を強調」と報じるなど、アジアの地政学リスクが再び台頭していた感を否めない。
一方、それとは別に「発表された5月の中国貿易収支は予想を下回る」、雨宮日銀理事から「物価目標の2%達成へ道半ば、達成へ努力」との発言が聞かれたものの、本日は欧米時間に注目材料が多いこともあり、基本的にはそれらにらみで反応は限られた。

<<欧米市場の見通し >>

本日は注目材料が目白押し。とくに注視されている要因は3つあり、それを時間的に早い順で並べれば「ECBの金融政策決定とドラギ総裁の記者会見」「コミー前FBI長官が上院情報特別委員会で証言」「英国総選挙」−−になると思われる。それぞれの材料に一喜一憂し、かなり荒っぽい価格変動をたどる一日となる可能性もありそうだ。

テクニカルに見た場合、4月24日に空けたギャップは、昨日ドルが一時109.12円まで下落し埋めてきた。達成したあとドルは続落せず底堅い値動きをたどっていることからすれば、再び110円台乗せトライなど、上値を試す展開となっても不思議はないものの、本日の欧米時間は注目材料目白押しで、その内容次第。逆に底堅さのうかがえた109円前半などをしっかりと割り込み、108円台へと突入する危険性もないではない。

一方、材料的に見た場合、本日は前述したように大きく3つの要因が注目されている。もちろん、それぞれが要注意であるものの、3つのなかで最後に結果が判明すると目される「英国総選挙」は、日本時間9日午前6時に投票が締め切られたあと、日本時間の昼ごろには大勢が判明する見通しだ。つまり、「英国総選挙」については、マーケットへの影響が明日の東京時間にズレ込む公算も指摘されている。
いずれにしても、「ECBの金融政策決定」が予定されている日本時間8日20時45分から、翌日の東京まで、かなり長い時間にわたって、注意すべき時間帯が続くのかもしれない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.90-110.50円。ドル高・円安方向は、本日東京時間のドル高値である110円レベルが最初のターゲット。超えた場合には移動平均の200日線が位置する110.35-40円などが次の抵抗に。
対するドル安・円高方向は、直近安値である109.12円にまずは注意。割り込むようだと109円の危険性が台頭し、移動平均の52週線が位置する108.70円レベルなどが視界内に捉えられそうだ。(了)

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