<<東京市場の動き>>
1日の東京市場は、値幅は決して広くないがドル高・円安。緩やかではあるものの、右肩上がりで、「早朝安・大引け高」と言ってよい値動きだった。
110.70-75円で寄り付いた直後に本日安値の110.63円を記録、その後は111円台までドルがじり高推移をたどっている。前日比41円高で寄り付いた日経平均株価が開始から1時間余りで200円を超える上昇をたどったことが好感されたうえ、月替わりにともなう資金流入思惑など需給要因もドルの買い要因として取り沙汰されていた。
ドルは111円を超えたあと、若干上げ渋る様相を見せるも底堅く、16時時点では110.95-00円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、それとは別に豪ドルが荒れ模様。発表された4月の豪小売売上高が予想上回る内容となり、一時買い進まれるも、そのあと発表された5月の中国財新メディア製造業PMIが下振れしたことで流れが反転。対円では高値82.70円レベルから81.90円レベルまで、短時間で一気に下落する局面が観測されていた。
一方、材料的には、「トランプ米大統領がパリ協定に関する決定を1日午後3時に発表する」との報道があったほか、ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁から「米国経済が力強ければ4回利上げが適切」との発言が聞かれたものの、目立った変動は見られず、影響は限定的。
<<欧米市場の見通し >>
昨日欧米時間にドルは110円半ばを記録、再びレンジの下抜け機運が高まるも攻めきれず。そののち本日の東京時間には111円台まで戻すなど、下値トライも失敗に終わった感を否めない。今年3月後半から4月上旬にかけても2週間以上揉み合うなど、110-112円というレンジは何故か「居心地の良い」水準であるようだ。本稿執筆段階で、ちょうどレンジの中間地点に位置していることもあり、基本的にはボックス圏内で、次の方向性を探る展開を続ける可能性もある。
テクニカルに見た場合、一目均衡表における先行帯の雲の中(110.05-111.80円)の値動きで、代り映えがしない。明確な方向性はいまだ乏しいと言わざるを得ないだろう。
そんな一目の雲、上限はこのあとも横這いがしばらく続くが、下限については来週以降急速に下値を切り上げることが見込まれている。そのため、いましばらくは一目の雲の中の値動きを続けるものの、そのあとは期待感を込めて、下限の切り上げとともに形成しているボックス圏を本格的に放れる−−などといった見方も一部で聞かれていた。一目の観点からすると、保ち合い放れのXデーは来週!?
一方、材料的に見た場合、5月のADP雇用統計など注目の米経済指標が幾つか発表される予定となっており、それらの内容にまずは注意を要したい。ちなみに、ADPについての事前予想は、4月数値とほぼ同じであるプラス18万人程度を見込む向きが多いようだ。
また、それ以外ではパウエルFRB理事の講演が予定されているうえ、前述したように「トランプ米大統領がパリ協定に関する決定を1日午後3時に発表する」との報道もあり、その内容も一応要注意。なお、いまだ様々な観測報道が繰り広げられているトランプ米大統領の「ロシアゲート」問題に関するものとして注目されていたコミー前FBI長官の議会証言だが、有力欧米紙ウォールストリート・ジャーナルによると「早ければ6月8日に実施される」とされ、喫緊の材料ではなくなった感もある。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.30-111.50円。ドル高・円安方向は、時間足ベースで111.25円レベルが最初の抵抗で、抜けた場合には29日高値の111円半ばがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日記録したドル安値110.49円の攻防にまずは注視。ただ、割り込んでも110.24円、心理サポートの110円などテクニカルポイントは多い。(了)
オーダー/ポジション状況
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