<<東京市場の動き>>
方向性はいまだ乏しい、揉み合い継続の公算
31日の東京市場は、111円挟みのボックス圏で「行って来い」。オープン後、昼ごろにかけてドルは上値を試すも攻めきれず、午後に入ってからは一転じり安の推移となった。
110.85-90円で寄り付くなか、午前中はおおむねドルがじり高推移。日経平均株価の動きをにらみつつ、発表された中国経済指標が良好の内容となり豪ドルが対円で強含んだことなどを受け、ドル/円も連れ高で111円台を回復、一時111.23円レベルまで値を上げた。
しかし、ドルの上値は重く、高値記録後は一転してじり安となり、再び111円割れ。結局、16時時点では、110.95-00円で推移し、欧米時間を迎えている。
材料的には、AP通信が報じた「昨年の米大統領選へのロシア介入疑惑に関する米下院情報委員会の調査をめぐり、委員会がトランプ大統領の顧問弁護士、コーエン氏に召喚状を出した」との内容を、ロイターが「事情に詳しい関係筋」情報として否定。また「アフガン首都カブールの自爆攻撃で70人近くが死傷」との報道も観測されていたが、ともに影響は限定的だった。
<<欧米市場の見通し >>
敢えてバイアスをかけるとすれば、ドル安方向になるのだろうが、下値も堅くなかなか攻めきれない。大雑把にいって、ドルの下値110円レベルは近くて遠い存在とみられ、短期的にしっかりと割り込む値動きは予想しにくい状況だ。
週末に5月の米雇用統計、来月半ばに米FOMCなどの注目材料を控えていることもあり、次の動意に向けたエネルギー蓄積、別の言い方をすれば、方向性を模索する展開をしばらく続ける可能性もある。
テクニカルに見た場合、再三指摘している一目均衡表における先行帯の雲の中(110.05-111.80円)の値動き。依然として明確な方向性は乏しいままだ。
ちなみに、そんな一目の雲、上限はこのあとも横這いがしばらく続くが、下限については来週以降急速に下値を切り上げることが見込まれている。そのため、いましばらくは一目の雲の中の値動きを続けるものの、そのあとは期待感を込めて、下限の切り上げとともに形成しているボックス圏を本格的に放れる−−などといった見方も一部で聞かれていた。
一方、材料的に見た場合、5月のシカゴ購買部協会景気指数や4月の中古住宅販売成約指数といった米経済指標が発表されるほか、カプラン・ダラス連銀総裁の講演も予定されており、それらにまずは要注意。また、米地区連銀経済報告(ベージュブック)の内容にも注意する必要がありそうで、先行きの減速が再確認されるとドル安を後押しする反面、懸念ほど慎重でなければドル安に歯止めをかける材料となりそうだ。
また、依然として様々な観測報道が繰り広げられているトランプ米大統領の「ロシアゲート」問題などについても、リスク要因として警戒を怠らないようにしておきたい。
欧米時間のドル/円予想レンジ110.40-111.50円
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.40-111.50円。ドル高・円安方向は、本日の東京時間高値である111.20-25円が最初の抵抗で、抜けた場合には29日高値の111円半ばがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、直近安値110.65円レベルの攻防にまずは注視。割り込んでも、110円前半などにサポートは多く底堅そう。(了)
オーダー/ポジション状況
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