<< 東京市場の動き >>
週明け8日の東京市場は、112円後半でおおむね揉み合い。明確な方向性は乏しく、また値動きそのものも限定的だった。
先週末のNY市場を112.70円前後で大引けるなか、昨7日に実施されたフランス大統領選の開票結果・マクロン氏勝利確実との報道を受けて週明けは円売り優勢でスタート。早朝の時間外取引では113円レベルを付ける局面も観測され、東京時間は112.90-95円で寄り付いた。
つまり、下方向に20ポイントほどのギャップを空けた格好だったが、そのあとドルは上げ渋っただけでなく、むしろ調整売りに押される展開に。一時112.60円まで値を下げ、早々にギャップを埋めると、そののちは112円後半で一進一退をたどり、16時時点では、112.70-75円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的には、4月の中国貿易収支が発表され、黒字幅が予想上回る内容となったほか、浅川財務官から「中国経済の減速が世界にとって主要なリスク」との発言が聞かれていた。また、日経平均株価がクローズベースで前日比450円の大幅高をたどったものの、いずれの材料に対しても反応は鈍く影響は限定的なものに留まっている。
<< 欧米市場の見通し >>
基本的なリスクはドル高・円安方向で、先週4日そして本日未明の時間外取引でトライしたものの抜け切れなかった113円の壁を再びトライする局面があっても不思議はない。本格的に抜ければ、115円が名実ともに視界内に捉えられそうだ。
しかし、根強い地政学リスクをはじめ、潜在的な円買い材料も少なくないことで、キッカケさえあれば一気に流れが反転するリスクも指摘されている。足もとは盤石でなく、むしろ不安定であることは認識しておく必要があるかもしれない。
テクニカルに見た場合、ドルは112円台後半というドルの高値圏で推移しているものの、113円前後が目先は抵抗として寄与している感。また、その少し手前112.80-85円には一目均衡表の先行帯の雲の上限が位置しており、こちらもドルの一段高を阻んでいる一因に。
いずれにしても、時間足など短期ベースのチャートをみると、ドルは4日高値と本日早朝高値でダブルトップを形成しているかのような形状が若干気掛かり。ただ、抜けた場合にはドル高値118.66円を起点とした下げ幅の半値(50.0%)戻しに当たる113.40円などを目指したドルの続伸が予想されている。
一方、材料的に見た場合、注目されているのはブラード・セントルイス連銀総裁やメスター・クリーブランド連銀総裁による講演。先日発表されたFOMCで6月利上げが確実視されるなか、年後半からのバランスシート縮小に対する考え方などに対し、地区連総裁から如何なるコメントが聞かれるのか注視している向きは少なくないようだ。
また、それ以外となると21,000ドル台を先週末のNYクローズで回復したNYダウや、原油価格、米金利などの動きにも引き続き注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.00-113.10円。ドル高・円安方向は、引き続き直近高値である113.05円が最初の抵抗で、超えた場合には113.40円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、移動平均の75日線や一目均衡表の先行帯の雲の下限が位置する112.20円前後の攻防が注目されている。底堅いイメージながら、下回ると111円台前半までの下落も否定できなくなりそうだ。(了)
オーダー/ポジション状況
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