<<東京市場の動き>>
26日の東京市場は、小幅ながらドル高・円安。夕方にかけて111円半ばまで値を上げ、そのまま終日を通したドルの高値圏で欧米時間を迎えている。
111円前後で寄り付いたのち、しばらくは冴えず。狭いレンジ内での揉み合いとなったが、その後ドル買いが優勢になりじり高、夕方にかけては111.50円レベルまで値を上げてきた。材料となったのは前日に続き日経平均など株価が堅調に推移したことに加え、米金利の上昇、また北朝鮮を中心とした地政学リスクの後退観測もドル買い・円売りに寄与していたという。値幅は終日を通し50ポイント強と小幅にとどまったが、それでも16時時点では111.45-50円と一日を通したドル高値で推移している。
なお、材料的には、ロイター通信が「26日発表予定のトランプ米大統領による税制改革案に、輸出課税を免除する一方、輸入負担を重くする法人税の国境調整が盛り込まれない」と報じるなど、トランプ政権の税制改正への期待感も指摘されており、前述したようなドル高・円安の材料となっていた面もあったようだ。
<<欧米市場の見通し >>
先週まで円買いを支援していた「フランス大統領選」や「北朝鮮の人民軍創建85周年ファクター」などの材料をこなし、地政学リスクが後退したことに加え、前述したような「トランプ政権の税制改正への期待感」も取り沙汰はじめた。まだ予断は許さないものの、リスクは一転して上方向に高まってきた気もしないではない。112円レベルをあっさりと超えていくイメージは乏しいのだが、そうした展開にも一応要注意。
テクニカルに見た場合、3月31日に記録したドル高値112.20円が視界内に捉えられてきた。ただ、その少し下のレベルである111.80-85円は、3月高値115.51円を起点とした下げ幅の半値(50.0%)戻しにあたるなど、なかなか強いレジスタンスで、ドルの上値が引き続き重い状況であることは間違いない。
とは言え、下方向のサポートが切り上がっていることは確か。すでに110円半ばですら、かなり遠い存在になっている感もある。
一方、材料的には、これといった米経済指標の発表や要人の講演などは予定されておらず、全般的には動きにくい雰囲気。しかし、本日はトランプ米大統領が税制改革案を発表する予定となっており、前段でレポートしたように、本日の東京時間などではかなり強い期待感も示されていた。したがって、事前にメディアで報じられたような内容に留まれば、発表後は「Buy the rumor、sell the fact (噂で買って、事実で売る)」展開となる可能性を懸念する声もなくはない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.80-112.00円。ドル高・円安方向については、3月高値115.51円を起点とした下げ幅の半値戻しにあたる111.80-85円の攻防にまずは注目。抜ければ名実ともに112円台回復がターゲットとなる。
対するドル安・円高方向は、111円レベル、110円半ばなど50ポイント刻みで弱いサポートが位置している。それらを割り込むようだと110円割れもみえてくるが、さすがに今日明日という時間のなかで到達する展開は予想しにくい。(了)
オーダー/ポジション状況
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