<<東京市場の動き>>
25日の東京市場は、ドル高・円安。前日のNY時間に割り込んだ110円台を再び回復、110.25円レベルまで値を上げ、そのまま終日を通したドルの高値圏で欧米時間を迎えている。
109.75円レベルで寄り付いたものの、前日の流れを継ぎドルは当初弱含み。109.60円レベルの日中安値を記録するも底堅く、反発に転じると、その後は緩やかなドル高進行となり一気に110円台を回復している。材料となっていたのは、ゴトー日(5・10日)仲値不足にともなう需給要因のほか、前日比マイナス圏で始まった日経平均株価が終わってみれば203円の大幅高となったことなどが好感されていたという。
仲値決定(午前10時)前後に一度110円台を回復したあとは、ほぼ割り込むことはなく推移し、16時時点では110.20-25円と一日を通したドル高値を維持している。
なお、材料的には、本日が北朝鮮の朝鮮人民軍創建85周年記念日にあたることで、軍事行動実施などが以前から懸念されていた。実際、昼過ぎに「北朝鮮が大規模な火力訓練実施か」といったニュースが伝えられるも、予想の範囲内との見方なのか影響は限定的。円売りという為替の基調も株価の堅調推移、ともに目立った変化は見られなかった。
<<欧米市場の見通し >>
昨日、筆者は「かつての110-112円レンジに回帰した」のか、それとも「ドルは一段高に向けて再始動をきった」のか、はたまた「一時的な動きで、再び円高方向に回帰する」のか−−、まだ断定はできないとレポートした。北朝鮮ミサイルに対する不安が消えたわけではないなど、まだ不確定要素は残るものの、現段階では取り敢えず「かつての110-112円レンジに回帰した」公算が大きい気がしている。地政学リスクに対する不安を抱えながら、ドルは底堅く推移する可能性もありそうだ。
ただ、テクニカルに見た場合、下方向にいまだ目立つギャップを空けたままであることが少し気掛かり。ちなみに、ギャップは大雑把にいって、109.10-109.60円に空いている。過去の経験則などを鑑みても、形成したギャップは「いつか必ず埋める」だけに、その「いつか」が気になるところだ。
それに対するドル高方向は、昨日高値の110.50円をめぐる攻防が注視されるが、抜ければ111円台回復も見えてくる。
一方、材料的には、発表される2月S&Pケースシラー住宅価格指数や4月消費者信頼感指数といった米経済指標が注視されているものの、よほどの数字とならない限り影響は限られそう。それよりむしろ、米株や金利、原油価格といったほかの市場の動きに左右される公算が大きい。
また、東京時間は不発だったが、「北朝鮮が今後ミサイル発射に動く」などといった不安はマーケット参加者のみならず、世間一般的にも非常に強い。こちらも引き続き警戒を要しておきたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.70-111.20円。ドル高・円安方向については、前述したように昨日高値の110.50円をめぐる攻防にまずは注視、抜ければ3月高値115.51円を起点とした下げ幅のフィボナッチ38.2%戻しにあたる110.95円がターゲットとなる。
対するドル安・円安方向は、移動平均の5日線も位置する本日東京安値109.50円がサポートで、割り込むようだと同200日線(108.80-85円)を目指す展開か。(了)
オーダー/ポジション状況
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