朝鮮半島有事情勢、欧米市場の関心は薄い?(4/25)

フランス大統領選挙第1回目は24日早朝に大勢が判明、楽観ムードでユーロが急騰、ドル円もリスクオン心理で上昇した。

朝鮮半島有事情勢、欧米市場の関心は薄い?(4/25)

<概況>

フランス大統領選挙第1回目は24日早朝に大勢が判明、楽観ムードでユーロが急騰、ドル円もリスクオン心理で上昇した。中道のマクロン氏が1位、2位に極右ルペン国民戦線党首となり、5月7日の決選投票に臨む。市場が警戒していたルペン氏と急進左派メランション氏による両極端な選択肢という状況にはならなかったこと、決戦投票ではマクロン氏が他候補の票を集めて6割程度を固めて勝利する可能性が高いとして市場の楽観ムードは続き、欧州株式市場ではフランスCAC40指数が4.1%高、ドイツDAX指数が史上最高値を更新。米国株式市場でもダウが216.13ドル(1.1%)高、ナスダック総合指数は1.2%高で史上最高値を更新。米国債は売られた。
ドル円は週末の109.15円引け値の水準から24日早朝に110.50円台まで急上昇したが、その後は高値更新に至らず、24日夜間では110円を割り込んで109円台後半まで押してきている。欧米の楽観ムードとは異なり、北朝鮮有事リスクも抱えているために上昇基調継続とならず、ひとまず25日の北朝鮮情勢を見定めたいという事だろう。

【有事情勢と市場心理】

注目したいのはVIX指数、所謂恐怖指数と言われているインデックスだが、21日の14.63ポイントから24日は10.84ポイントまで急落し、2017年1月の10.58ポイント以来の最低水準となったことだ。
北朝鮮の建軍記念日を25日に控え、展開次第では有事リスクが一挙に高まる可能性がある中で、欧米金融市場としてはあまり極東有事については関心度が低い、一触即発な状況にまで緊張感が高まる可能性は低いのではないかという市場心理を表しているのかもしれない。


トランプ米大統領は24日、国連安保理理事国大使との昼食会で「北朝鮮の現状は容認できない。国連安保理は北朝鮮の核・ミサイル開発に対して新しい強力な制裁を準備しなければならない」、「世界に対する本物の脅威だ。人々は何十年も見て見ぬふりをしてきた」「今こそ問題を解決する時だ」と述べた。
このことは、北朝鮮が25日の建軍記念日に合わせ6回目の核実験、あるいは長距離弾道ミサイル発射実験を強行する可能性が高く、その際に制裁等の行動に出るための根回しという印象を受ける。逆に言えば即座に軍事的な行動に出る可能性は低いとも言えそうだ。ただ、トランプ氏、北朝鮮の金氏ともに行動が読めないところもあり、おそらく、有事即発情勢にはならないだろうが、両者ともに何をしでかすかわからない不安もあるというのが日本の金融市場を含めた率直な心理状況なのだろう。

当初、朝鮮半島へ向けて北上したと報じられた米海軍空母カールビンソンを中心とした空母打撃群は現在、フィリピン海にいる。ただ、有事即応という意味では在日米軍、在韓米軍の存在があるため、カールビンソンが遠いところにいることの戦術的な意味合いは重要ではないだろう。

【60分足 一目均衡表分析】

【60分足 一目均衡表分析】

24日朝の急騰で遅行スパンが好転(実線を上抜く)、先行スパンからも大きく上放れしたが、その後の横這いと24日夜の反落により25日午前時点では遅行スパンが悪化(実線を割り込む)、先行スパンに接触している。先行スパンは急騰とその後の下落によりスパンの幅が薄くなっており、109.50-60円割れの場合は先行スパンからの転落となる。転落の場合は先行スパンの下側が抵抗となり、上限を上抜き返すまでは下落継続リスクが残る。
109円台後半を維持して横這いか、やや上昇気味で推移すれば遅行スパンは25日夜にかけて好転しやすくなるが、25日の日中、夜間に続落するようだと次の好転には大きな反騰か、持続的な上昇が必要となる。
北朝鮮有事リスク問題の先行きが見えてこない内はやや下向きのリスクをかかえつつも109.50円前後を支持線、109.90円台までを抵抗帯としたレンジ内での推移を想定する。

有事リスク問題に絡んで110円突破へ進む場合は上昇再開の可能性と24日朝高値試しを想定、さらに24日高値超えへ進む場合は111円を目指す上昇まで発展する可能性を考えるが、24日朝高値を超えられない内はダブルトップ(日足レベルの毛抜き天井)型を形成して失速する可能性も残る。109.50円割れへ下落し、その後も109.50円以上へと回復できない場合は下落局面入り警戒、有事リスク増大等で急落の場合は108.50円から108.00円のゾーンを試す可能性を考える。(了)<9:20執筆>

【今日から明日への主要イベント】

4月25日
北朝鮮 建軍記念日
米  0:30 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
米 22:00 米2月S&P/ケースシラー住宅価格指数(前年比)
米 23:00 米4月消費者信頼感指数
米 23:00 米4月リッチモンド連銀製造業指数
米 23:00 米3月新築住宅販売件数

4月26日
日 日銀金融政策決定会合(まで27日)

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