税制改革期待とリスク後退でドル円111円台、米株上昇
昨晩の海外市場では仏大統領選終了のセンチメント改善が継続する中で、26日に詳細が発表されるトランプ大統領の税制改革案への期待、企業決算の好調、北朝鮮とのXデーとされていた25日を無事乗り切ったことによる地政学リスクの後退等の要因が重なり、株価指数はほぼ全面高となりました。
NYダウの終値は232.23ドル高い20,996.12ドル、ナスダック総合指数は史上初めて6,000ドル台に乗せ6,025.49ドルで引けています。
ドル円もほぼ一方向で上昇、高値111.19をつけアジア時間早朝はそのまま高値圏での取引が続いています。ユーロも昨晩は上値を広げ1.09台乗せ、高値1.0950をつけ、ユーロ円は121円台での取引。
トランプ大統領は、法人税を35%から15%に引き下げ、税制改革を急ぐよう指示したのに加え、米国企業に多くみられる法人税ではなく出資者個人が所得税を支払ういわゆるパススルー事業体に課す税率も同様に引き下げる改革案を提案する見込みと伝えられており、期待が高まりました。
欧米を中心に市場のセンチメントの改善がみられる中で、リスク資産への資金流入が続いていて、逆に米国債は下落、10年物の米国債利回りは2.33%まで戻しており、本日の東京市場でも株価、ドル円は底堅い推移が予想されます。
一方で北朝鮮をめぐる問題はむしろ緊張感が高まっています。
本日米国時間にはトランプ大統領が全上院議員をホワイトハウスに集め異例のブリーフィングが行われる予定です。中国は北朝鮮との国境地帯に大規模な軍隊を移動させていると報じられており、また、28日には国連安全保障理事会で閣僚級会合が行われ北朝鮮問題が話し合われることとなっていますが、これに対しても北朝鮮は反発を強めています。
最も危険とされた朝鮮軍創立記念日を無事乗り切ったこと、朝鮮近海に向かっているとされる米空母カールビンソンを中心とする空母打撃群が未だ到着していないこと等から、市場では北朝鮮をめぐるリスクはやや後退したと見られていますが、今後反発を強めた北朝鮮が、核実験、大陸間弾道弾の試射等の挑発行為を行う可能性は常にあるといえ、そのため日本株、ドル円に関しては上昇も北朝鮮情勢を横目でうかがいながらのものとなりそうです。
本日この後10:30から豪州第1四半期の消費者物価指数の公表、明日にかけて日銀政策決定会合が開催されます。
オーダー/ポジション状況
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