<<東京市場の動き>>
6日の東京市場は、おおむね揉み合い。110円台前半を中心とした一進一退で、終日を通した値幅も40ポイント程度。明確な方向性は乏しかった。
前日のNY時間、ほぼ一本調子で値を下げた流れを受け、寄り付いた110.65-70円レベルが本日東京時間の最高値に。以降、ドルは冴えない値動きとなったが、下値も堅く安値は110.30円程度まで。つまり、ほぼ110円台前半を中心とした揉み合いであり、積極的な動意ならびに目立った方向性は乏しい状況だった。結局、16時時点では寄り付きよりやや安い110.50-55円で推移し、欧米時間を迎えている。
そうしたなか、早朝に北朝鮮問題について日米首脳が電話会談を行った、と報じられたものの、伝えられる内容が「北朝鮮への対応で緊密な連携を確認」−−などと従来の内容を踏襲したものに留まったことで、影響は限られている。
また、日経平均が一時300円を超える下げ幅をたどったが、こちらも一段の円買いに繋がらなかったほか、豪ドルを中心としたオセアニア通貨が乱高下したものの、ドル/円などへの波及的な影響は見られなかった。
<<欧米市場の見通し >>
過去の日本の期末から期初(3月後半から〜4月初旬)の相場動静を調べてみると、方向性が定まらず乱高下することが多いようだ。今年も、そんな過去の経験則を踏襲している格好で、形成レンジは2円(110-112円)ほどとやや狭いものの、トレンドレスのなか、なかなか荒っぽい変動をたどっている。足もとの揉み合いが、まだしばらく続くのか、それともレンジをどちらに抜けるのか、後述する材料面を考慮すると、いよいよ正念場を迎えている気もしないではない。
テクニカルに見た場合、先週から幾度となく110-112円のレンジブレークをトライ、昨日は欧米時間だけで上下両サイドを試したものの、結局どちらにも抜けていくことが出来なかった。
ちなみに、ドルの下値について指摘すると、110円やその前後などで下げ止まるならば、チャート的にも日足は3月27日安値と今回でイイ感じのダブルボトムを形成する反面、割り込むようだとドルの下値余地が一気に拡大しかねない。本日も、まずはドルの下値をめぐる攻防に要注意だろう。
一方、材料的には、引き続き発表される米経済指標や米地区連銀総裁が講演で発するコメントが注目されるものの、それよりも政治ファクター、実施される米中首脳会談に注意する必要がある。
トランプ氏は以前から、対中赤字に大きな懸念を示す発言を繰り返しており、今回の会談でも通商問題だけでなく為替に対しても激しいやり取りが警戒されているのに対し、中国が米国からの通商圧力を回避させるための、対米投資や雇用の拡大といった「手土産」の具体的な内容も気にかかる。マーケットの一般的な認識は、いまのところ「米中首脳会談=ドル安材料」との認識だが、中国の懐柔策が功を奏し、最終的に悪材料の出尽くしとなれば、一気にドル高・円安へと相場の流れが傾く可能性もありそうだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.00-111.30円。ドル高・円安方向については、110円台にさほど大きなフシはなく、次の抵抗となると一目均衡表の転換線が位置する111.20円レベル、111円半ばなどとなる。
対するドル安・円安方向は、目先を含め、ここ1-2週間で何度も下げ止まっている110.10-20円、そして心理サポートに当たる110円前後など。かなり底堅いイメージだが、抜けるとすればそろそろ、との指摘も一部で聞かれ始めていた。(了)
オーダー/ポジション状況
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