ECBドラギ総裁発言でユーロ急落
本日ECBドラギ総裁が日本時間の夕刻にフランクフルトで講演、景気見通しは徐々に改善しつつあるとしながらも、現在の「政策金利が長期にわたり現在の水準か、それよりも低い水準に留まる」とのECBのフォワードガイダンスの文言からそれる必要はなく、金融政策スタンスの再評価は妥当ではないなどと述べたことからユーロは急落しました。
講演前対ドルで1.0680レベルで取引されていたユーロドルは講演中に1.0630を割り込み、対円でも118.07近辺から一時117.36まで急落、対円では昨年11月以来の安値となっています。
ユーロドルは今週大きくは横ばい推移が続きました。
欧州中央銀行は4月から債権買い入れ額を月額800億ユーロから600億ユーロに減少させる量的緩和策の縮小に入っています。ユーロ圏の経済の見通しに楽観論が広がりつつあることがその背景にあり、最近になってECB関係者からは量的緩和終了の下地ならしのような発言が相次ぎました。
そのため市場ではECBの量的緩和の縮小とともに、一部でマイナス金利の解消への思惑も広がっていただけに、真っ向から否定する総裁の発言に冷や水を浴びせられた形です。
しかしながら年前半に独仏の選挙の政治不安を抱え、CPIが2%を下回る現状では大きく金融緩和の解消に舵を切ることはやはり難しいものと想像されます。ただ、ECB内部でも主として伝統的にインフレを嫌うドイツ出身のメンバーと、それ以外の国出身のメンバーの間に意見の対立があるとも噂されており、ドラギ総裁が本日一応一旦の結論は示して見せたものの、今後もECB関係者の発言からは目が離せません。
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