<<東京市場の動き>>
4日の東京市場は、ドル安・円高にバイアス。価格変動そのものは60ポイント弱で決して大きなものではなかったが、ほぼ一本調子にドル安が進行するなど、終日を通してドルの弱さが目に付いた。
日中を通したドルの高値圏である110.90円レベルで寄り付いたあと、緩やかな右肩下がり。日経平均株価が一時200円以上下落したことなどが嫌気されたうえ、軟調に推移した豪ドル/円やNZドル/円というオセアニア通貨のクロスに連れた側面が大きかった。さらに、前日にロシアでテロとみられる地下鉄爆破事件が発生したことや、トランプ米大統領が「必要ならば単独で北朝鮮問題に対応する用意がある」と発言したことが地政学リスクを懸念させ、円買いに繋がっていた面もあるという。
ドル/円は、夕方にかけて110.35円レベルまで値を下げると、戻りらしい戻りもないまま、16時時点では日中のドル最安値圏である111.40-45円で推移している。
<<欧米市場の見通し >>
ちょうど1日前、昨日の東京時間終了前後はドルが111.60円レベルで推移するなど堅調で、過去1週間あまりのレンジの上限である112円レベルを超えていく期待感も台頭していたが結局不発。それどころか、そのあとの欧米時間などを経て、再びドルの下値不安が広がっている感を否めない。
テクニカルに見た場合、112円には届かず、再び110円台前半まで一時下落してきたことで、先週ドルの下値をサポートした110円が視界内に捉えられたことは間違いない。先週の110円割れの攻防を考えると、かなり底堅いイメージで、一本調子に割り込んでいくイメージには乏しいものの、しっかり割り込むようだと109円台に大きなフシがうかがえないだけに、思わぬレベルまでドル安が進行しても不思議はなさそうだ。
一方、材料的に注視されているのは、引き続き発表される米経済指標ならびに米通貨当局者の発言か。
ただ、足もとのマーケットの関心が米国の金融政策などから、地政学リスクや週末の米中首脳会談を中心にした政治ファクターに移ってきている感もあるだけに、既存の材料はよほどの数字など予想外のモノにならない限り、影響は基本限定的か。それよりむしろ、対北対応など地政学リスクに踏み込んだ米政府関係者の発言などが波乱材料となりかねないかもしれない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.00-111.20円。ドル高・円安方向については、一目均衡表の基準線などが位置する111.20円レベルが目先の強い抵抗。また抜けても上値は重く、112円は近くて遠い存在という気がしている。
対するドル安・円安方向は、心理サポートであり先週も2度下げ止まっている110円前後の攻防を注視。油断は禁物だが、同レベルではビッドも厚いことから、割り込んでいくイメージはまだ乏しい。(了)
オーダー/ポジション状況
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