豪州中銀金融政策決定会合要旨
豪州準備銀行(中銀)政策金利
現行の1.50%で据え置き決定。(市場の予想通り)
(中銀の委員会要旨)
今回の会合で、委員会はキャッシュレートを現行の1.50%に据え置くことを決定した。
世界経済の状態はここ数か月で改善傾向にある。世界貿易や鉱工業生産は拡大している。多くの国で労働市場がタイトになってきている。幾つかの先進国で予想越える成長が期待されている。中国の成長はインフラ整備支出や不動産建設等で支えられている。成長と借入増加の組み合わせは中期的には中国経済にリスクを残す。また、世界経済の改善は商品価格の上昇をもたらした。結果、豪州には好結果となった。
インフレ率は多くの国で上昇し、長期金利は昨年よりも上昇した。これは商品価格の上昇による要因も反映している。但し、コアインフレは依然低い水準にある。米国は利上げを実施し、主要先進国の幾つかでは先々の追加緩和見通しが減ってきた。
豪州経済は鉱山関連ブームの終焉により成長の過渡期を継続している。最近の経済データは緩やかな成長を持続している。企業信頼感指数は改善し、非鉱山関連企業の投資は増加している。同時に幾つかの労働関連指標が最近悪化してきている。とりわけ失業率が若干悪化している。賃金は依然低いままである。
先行きの見通しは低金利に支えられている。借り手は最近不動産借入の増加を示した。とりわけ投資家レベルの借入が増加した。金融機関は借り手に対して安定的に対応している。2013年以降の豪ドル安も成長に貢献した。豪ドル高はこれらの成長を複雑化してしまう。
インフレは依然低いが2017年終わりに向けて上昇し、2%以上になると予想している。直近のインフレは労働コストが低いので緩やかな上昇となっている。
住宅関連は国内では千差万別になっている。幾つかの市場では非常に強く、価格は明らかに上昇している。他の市場では価格が下がっているところもある
現在利用できる情報を基に、委員会は現状のキャッシュレートを維持することと判断した。これにより持続的成長となり、目標インフレに到達できると見ている。
(要旨以上)
(注)豪州中銀金融政策会合要旨は一部を和訳したものであり、詳細は金融政策要旨本文をお読みください。
今回は、先月とほとんど変わらない内容になっています。しいて挙げれば労働市場で失業率が若干悪化していることを指摘している位です。昨年末、2017年央以降に追加緩和あると見ていたエコノミストも減少傾向になり、今後は経済の激変か為替の大幅豪ドル高でもない限りは、利下げ見送り・据え置き継続となりそうです。
豪ドル対米ドルは10時半の貿易収支前は0.7590米ドル付近で推移していましたが、好調な貿易収支に0.7615米ドルまで上昇しました。その後は0.7600〜10米ドルで金融政策を待ちましたが、予想通りの内容に豪ドルは売られています。これはシカゴポジションも影響していたと思いますが、クロス円での円全面高による各通貨の対ドルでの上値が重くなったことも1要因となっていると思われます。0.7590米ドルのサポートも切ってきたので、0.7540米ドルと0.7490〜0.75米ドルのサポートを試す流れに入りそうです。上値は0.7620米ドル、0.7670米ドルに抵抗線が控えています。(4月4日14時30分、1豪ドル=0.7578米ドル)
尚、次回金融政策会合は2017年5月2日(火曜日)に予定されています。
(以上)
オーダー/ポジション状況
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