<< 東京市場の動き >>
31日の東京市場は、前日同様に「行って来い」。早朝の111.90円レベルから一時112.20円レベルまで上昇するも続かず。再び112円を割り込むと、欧米時間に向けては111.80円前後まで下落している。
111.90円レベルで寄り付いたものの、前日欧米時間だけで1円近いドル高が進行したことに対する調整から、当初はやや売りが先行。111.70円前後へと軟化するも底堅く、切り返すと112円台回復へ向けたドル高の進行となった。月末最終日で前日に続き仲値不足観測が取り沙汰されていたほか、日経平均株価が100円を超す上げ幅を記録したことなどが好感され、ドル買い・円売りの要因に。
しかし、午後に入るとドル買いの流れが一変。前場を3ケタ台のプラスで引けた日経平均が値を崩し、結局153円の大幅安となったことや、前日の欧米時間に報じられた「トランプ米大統領による対米国貿易黒字国に対する為替操作調査」が蒸し返されると懸念が広がり、為替もジワリと円高に。112円を割り込んだだけでなく、早朝寄り付きレベルを下回ると、16時時点では111.75-80円レベルで推移、欧米時間を迎えている。
<< 欧米市場の見通し >>
大きなトレンドは依然としてドル安・円高にバイアスがかかると予想するが、昨日の予想外ともいえるドル高進行を受けて、先行きの見通しがやや悩ましくなった。と言うのも、115円台定着が失敗に終わった一方で、110円割れトライも失敗に終わった感を否めないからだ。ドル強気の見方もチラホラと聞かれ始めている。
テクニカルには、昨日上抜けた111円半ばに位置する一目均衡表の転換線が今度はサポートとなっているようで、本日は112円台を一時的に回復してきた。ただ、東京高値である112.20円レベルは3月高値115.51円を起点とした目先下げ幅のフィボナッチ38.2%戻しにほぼ合致する。引き続き同レベルでの攻防に要注意だが、抜ければ同半値(50%)戻しの112.80円レベルなどがターゲットとなる。
なお、本日は週末・金曜日ということで、いわゆるザラ場だけではなくNY終値にも注意を払いたい。週足・一目均衡表においては先行帯の雲の上限が依然として111.20円レベルに位置しているため、ドルが再び軟化した場合はサポートなり、維持できるかどうか来週の動静を占ううえで重要だ。
一方、材料的には本日も、これまで同様発表される米経済指標そして、米通貨当局者による講演などに要注意だが、それよりも株式や原油、金利など他金融市場の動きならびに、本邦勢にとっては3月期末、海外勢にとっての四半期末ということで、需給要因にも警戒を要する。ちなみに、後者である需給要因については、本邦勢が新年度分の外債投資を一部前倒して、本日の欧米タイムから動いてくる可能性も一部で取り沙汰されていた。事実とすれば、ドルの下支え要因に。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.10-112.60円。ドル高・円安方向については、前述したようにフィボナッチの観点も含め、東京高値の112.20円レベルの攻防にまずは注目。しっかり抜ければ112円後半から113円台が見えてくる。
対するドル安・円安方向は、昨日上回ってきた一目均衡表の転換線(111.50円)が最初のサポートか。ただ、下回っても底堅そうで、基本的に111円台では下げ止まるイメージだ。(了)
オーダー/ポジション状況
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