米GDP確報値上方修正で市況改善
昨晩発表された米国の昨年第4四半期の実質GDP(確定値)は年率換算で前期比2.1%増、改定値の1.9%、事前予想2.0%のいずれをも上回りました。
中でも個人消費の改定値3.0%増が3.5%増に上方修正されたことが米経済の順調な拡大を示していると捉えられ、市場でリスク選好が強まり米国株が上昇、ドルも堅調な動きを見せました。NYダウは前日比69.17ドル高い20,728.49ドルで終了、ドル円は一時111.93をつけ112円に接近しています。
また、昨晩はクウェートの石油相が「OPECが今年6月に期限の切れるOPEC、非OPECの減産協定の延長を協議している」と語ったことから、原油先物も一段高となり、1バレル50ドル台を回復しています。
トランプ政権の政策不透明感からのリスクオフの動きは一段落した形ですが、当然ながら現在発表されている米指標はトランプユーフォリアの最中のものが多く、今月急速に台頭した政権運営への不安感を反映したものはまだ出てきていません。
トランプ大統領は昨晩、共和党内部の自由議員連盟をツイッターで攻撃、協力しないのであれば18年の中間選挙で戦うことになるとコメントしており、共和党内部の亀裂は簡単には修復されそうにありません。
欧州委員会のユンケル議長は昨晩米国が英国のEU離脱を歓迎し、他の国も続くようけしかけていると指摘、「このような態度を続けるなら私はオハイオの独立やテキサスの離脱を応援する」と述べており、EUとの関係も不安定。政権運営の先行き不透明感はむしろ強まっていると言えるでしょう。
来週は6日7日にトランプ大統領と中国の習主席との会談が予定されていますが、先ほどトランプ大統領はこの会談についてこれ以上大きな貿易赤字と雇用の喪失を続けるわけにはいかず難しいものとなるだろうとツイート。為替操作国認定問題もあいまって来週の注目材料となりそうです。
本日はこの後8:30より本邦2月の失業率、消費者物価指数、8:50に鉱工業生産等の発表が予定されています。
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