<先週の動向と今週のポイント>
3月27日夕刻、28日深夜の二度、110円割れを回避したため、60分足レベルではダブル底型、日足では毛抜き底型を形成して反発した。米連銀の追加利上げを材料消化とし、米長期金利の低下、トランプ政策実行不安でドル安となっていたが、材料的に一服して戻したという状況。しかし、31日には112円を超えたものの112円台を維持できずに111円台前半まで失速して週を終えた。
3月末は米地区連銀総裁らによる発言も相次ぎ、一部で利上げ回数をアップさせるべきとの発言もあったが、重要メンバーであるNY連銀総裁の31日の発言から利上げ加速のリスクが後退してドル安円高反応が見られた。NY連銀ダドリー総裁は、ブルームバーグTVのインタビューで「米FRBの保有資産縮小については年内か来年に開始しても驚かない」とし、その際には「利上げを一時的に停止する可能性がある」と述べた。また年内の利上げについても「あと2回の想定は合理的」「金利正常化を急ぐ必要はない」等と述べた。セントルイス連銀のブラード総裁も「年内あと2回の利上げは多すぎる」と述べている。
4月第1週は週末に米雇用統計があるが、主要な経済指標の発表も相次ぐ。これら米経済指標が強ければ株高ドル高反応となりやすいが、NY連銀総裁発言を踏まえれば、従来ほどには利上げペースの加速に対するリスクが拡大しないとすれば、ドル高反応は限定的かもしれない。
トランプ政権が貿易赤字対策について動き始めているため、対日赤字問題での踏み込んだ発言等が出てくる場合はリスク回避的な円高が発生しやすい懸念もある。本邦サイドは、3日の日銀短観における大企業製造業の想定為替レートが注視される。現状とのレート乖離が大きく出てくると変動要因となりえる。
ユーロドル、ユーロ円が週末に一段安している。ECBが金融緩和の出口戦略へ向けて動きだすとの観測が後退したこと、英国のEU離脱正式通告、仏大統領選挙等の域内情勢への不安感が背景と思われるが、4月6日には3月9日開催のECB理事会の議事録公開もあるので注目される。ユーロ円の下落による円高圧力にも注意したい。
日経平均の下落についても円高要因として注意される。週末2日間で300円以上の下落となり、19,000円を割り込んでいる。1月5日高値を3月2日にわずかに上回ったものの、その後は軟調推移であり、両高値によるダブルトップ形成からの下落期入りとなる可能性もある。1月18日安値18650円割れ回避のうちは高値圏持合いから上放れ、一段高へ進む可能性があるが、1月18日安値を割り込む場合は先安感が強まり、リスク回避の円高要因となりやすい。新年度入りでの機関投資家等の投資選考が注視される。
<週間見通し>
3月10日以降は一段安に対するリバウンド、下げ渋り的な持合いを2日程度入れた後、一段安するという動きが観測されてきたが、今回は27日夕刻から4日間戻しており、下落中の戻りとしてはシッカリした上昇となった。このため、この間の戻り幅の半値押しとなる111円前後を支持線として切り返せば、もう一段高へと揺れ返し的な上昇が継続する可能性がある。逆に言えば111円処を維持出来ない場合は下げ再開として110円割れを試し、さらに割り込む場合は年初来安値更新により円高ドル安が加速する可能性が警戒される。その際は109円前後試しへの下落を想定する。
3月27日からの反発は下落途中の小規模反発(アヤ戻し)の範囲と思われる。年初以降の反発としては1月19日高値、2月15日高値、3月10日高値への反発がいずれも3円以上4円未満となっているため、113円台前半へ戻す可能性がある。このため、31日変動幅の半値戻しのクリアとなる111.75円近辺超えからは31日高値試し、高値更新の場合は113円台前半試しへ向かう可能性を考えるが、113円以上は戻り売りに掴まりやすいと見る。日柄面におけるトップ間を結んだサイクルの観点からも、息切れ感が出やすい見立てだ。柔軟なトレード対応が望まれる。(了)
ドル円60分足
「今週の注目イベント」
4月3日 (中) 中国市場休場(清明節、-4日)
4月3日8:50 (日) 日銀短観
4月3日23:00 (米) 米3月ISM製造業景況指数 予想 57、前月 57.7
4月3日 23:30 (米) ダドリー米NY連銀総裁、講演
4月4日 4:00 (米) ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
4月4日 6:00 (米) ラッカー米リッチモンド連銀総裁、講演
4月4日 (中) 中国市場休場(清明節)
4月4日 12:45 (日) 10年債入札(2兆3000億円)
4月4日 21:30 (米) 米2月貿易赤字 予想 465億ドル、前月 485億ドル
4月5日 5:30 (米) タルーロFRB理事、講演 ・退任
4月5日 21:15 (米) 米3月ADP全国雇用者数 予想 +19.4万人、前月 +29.8万人
4月5日 23:00 (米) 米3月ISM非製造業景況指数 予想 57、前月 57.6
4月6日 3:00 (米) 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録公表(3月14-15日開催分)
4月6日 米中首脳会談(〜7日)
4月6日 20:30 (欧) ECB理事会、議事要旨公表(3月9日開催分)
4月6日 21:30 (米) 米新規失業保険申請件数 - 25.8万件
4月6日 22:30 (米) ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁、講演
4月7日 (欧) ユーロ圏財務相会合(〜8日)
4月7日 米中首脳会談(6日〜)
4月7日 21:30 (米) 米3月非農業部門雇用者数 予想 +17.4万人、前月 +23.5万人
4月7日 21:30 (米) 米3月失業率 予想 4.7%、前月 4.7%
4月7日 21:30 (米) 米3月平均時給伸び率 予想 0.3%、前月 0.20%
4月7日 21:30 (米) 米3月非農業部門雇用者数 予想 +17.4万人、前月 +23.5万人
4月7日 21:30 (米) 米3月失業率 予想 4.7%、前月 4.7%
4月7日 21:30 (米) 米3月平均時給伸び率 予想 0.3%、前月 0.20%
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.11.22
ドル円154円台前半、本邦CPI高止まり等で一時154円割れ (11/22午前)
22日午前の東京市場でドル円は「往って来い」。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2024.11.22
ドル円見通し 21日夜からの反落で一時154円割る、日銀総裁は12月利上げの可能性排除せず(24/11/22)
ドル円は21日深夜には153.90円まで安値を切り下げた。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.22
ドル円、下落後に反発するなど底堅い動き。上昇トレンドの継続を想定(11/22朝)
21日(木)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。