東京市場の動き
週明け27日の東京市場は、ドル安・円高。先週末のNY終値111.30円前後に対し、東京は110.80円台と、上方向に「ギャップ(窓)」を空けて寄り付いた。その後も、緩やかなドル売り・円買いが続き、終盤にかけては110円割れをうかがう様相を呈している。
前週末のNY市場、最後の1-2時間にショートカバーが強まると、111.30円レベルまでドルは戻していたが、週明けは時間外取引から再びドル売り・円買いが強まった。早朝、4時過ぎには110.75-80円で推移し、東京時間もほぼ同レベルで寄り付いたが、そのあとも流れに変化は見られず。時間外で取引されていたNYダウ先物が100ドルを超す下げ幅を記録したうえ米長期金利も低下、さらに前週末比191円安で寄り付いた日経平均株価が下げ幅をさらに拡大させ、一時は300円以上も下落したことなどが嫌気されていた。
結局、ドル/円は11月18日以来安値である110.15円レベルまで値を下げ、16時時点ではほぼ同水準である110.20円前後の推移となっている。
欧米市場の見通し
ドル/円の基本的なリスクは依然として下向き。レベル的にも110円割れが完全に視界内に捉えられている感を否めない。ポジションは傾いており、ドルショートが蓄積されていることは確かだが、相場の流れから考えても、一度110円割れを見ない限り、ドル売りの流れは収まらない気がしている。
テクニカルには、先週だけで短期的に3度下げ止まった110.60-70円のレベルを、本日の東京時間に割り込んできた。もう少し、同レベルでは持ちこたえると思っていただけに、予想外に近い展開だったが、以降も戻りらしい戻りはなく緩やかなドル安を続けている。110円は心理的なサポートで、手前では一旦揉み合う可能性も否定できないが、しっかり割り込むようだとドルの下値余地が拡大、移動平均の200日線などが位置する108円台に向け、さらなる下値を試す可能性も否定できないだろう。
一方、本日、材料的に注視されているのは、これまで同様発表される米経済指標そして、米地区連銀総裁による講演など。また、実施される米2年債の入札も気掛かりではある。
しかし、それよりむしろ、時間外で取引されていた先物が大幅安となっているNYダウなど、ほかの金融市場の動きならびに、トランプ米大統領の政権運営スタンスなどに要注意か。
なお、2週間程度の期間で5円を超えるドル安・円高が進行していることもあり、本邦要人を中心に今後発せられる為替に言及した発言にも注意を払いたい。内容次第では、一気にショートカバーが誘発される危険性もないではない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.50-111.00円。ドル高・円安方向については、本日東京時間の時間足などを見ると、すでに110円半ばが軽い抵抗となっている感を否めず、まずはそのレベルの攻防に注目。抜けた場合は、本日の早朝に空けたギャップ(110.80-111.30円レベル)がターゲットに。
対するドル安・円安方向は、心理サポートの110円をめぐる攻防が最大の注目ポイントに。さすがに同レベルでは下げ止まりそうな気もするが、割り込めば109円台に目立ったテクニカルなフシはなく、下値余地が一気に広がることになりかねない。(了)
オーダー/ポジション状況
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