ユーロの動き注視、ドル/円は動きにくそう
9日の東京市場はほぼ横這い。終日を通した変動幅は30ポイントに届いておらず、動意らしい動意はうかがえなかった。方向性も当然乏しい。
前日NY終盤の流れを受け、早朝に114.30円台のドル安値を記録後、じりじりと値を回復。時間外取引で米10年債金利が2.56%レベルと昨年12月28日以来の水準まで上昇したことが好感され、ドル/円も114.50円台まで小戻すも上値が重く、その後は114円台前半を中心とした非常に狭いレンジ内での一進一退に終始している。
日経平均株価が5日ぶりの反発となったものの、為替市場への影響は限定的。16時時点では114.40円レベルと、早朝とほぼ同じ水準での推移となっている。
欧米市場の見通し
このあとの欧米時間、ドル/円はやや動きにくい展開か。基本的には114円台を中心としたレンジ取引が続くとの見方が有力だ。
何故動きにくいと予想されるのか、理由は主に2つある。
ひとつは、本日欧米市場でもっとも注視されている材料はECBによる政策金利発表ならびに総裁会見であるということ。また、10日まで実施されるEU首脳会議への関心も高い。いずれにしても、為替市場においてはユーロを中心とした値動きが予想されており、目先のドル/円は主役になりにくいと見込まれている。
そしてもうひとつの要因は、明日の欧米市場で注目の2月米雇用統計が発表されるため。本日は明日の材料をにらみ、原則として積極的な売買は手控えられそうだ。
とは言え、本日も週間ベースの雇用指標である米新規失業保険申請件数の発表や、前日の10年債入札に続く米財務省30年債入札が予定されており、それらには一応の注意が必要かもしれない。
なお、連日レポートしているテクニカル分析のひとつである一目均衡表からみたドル/円相場だが、重要なテクニカルポイントである先行帯の雲は、上限・下限とも114円台半ば、ほぼ同水準といってよいようなレベルに本日は位置している。明日にかけて、先行帯の雲は再び厚みを増し、また上限と下限が逆転する、いわゆる「捻じれ」が発生することから、それほど遠くないタイミングで、現状やや乏しい方向性にキチンと示される可能性もある。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、113.90-114.90円。昨日発表された2月の米ADP雇用統計が予想以上の好数字となったこともあり、基本的なリスクはドル高・円安方向にバイアスか。ただ、それでも115円は近くて遠い存在であると予想され、2月高値114.95円が引き続き抵抗として寄与しそうだ。
対するドル安・円安方向は、114.20円レベルに時間足ベースでみた弱いサポートがあり、同レベルの攻防にまずは注視。しかし、仮に割り込んでも目先は114円を大きく割り込んでいく展開は予想しにくい。(了)
オーダー/ポジション状況
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