先週の回顧
先週のドル/円相場は、総じてドル安・円高の展開。週末24日のNY市場は112.10円レベルと、1週間を通じたドルの安値圏で大引けている。
週初はトランプ氏が米大統領選の際に公約としていた「インフラ投資構想」が近く始動するとの観測もあり、ドル買い・円売り優勢。米金利の上昇も手伝い、一時113.80円程度まで値を上げたものの、ドル買いは続かず。
その後は、ジワリと値を崩し、113円割れとなったあと、持ち直す局面もあったが日本時間の23日に発表された米FOMC議事録で「一段のドル高からの下振れリスクがあると判断」などとされたことが嫌気され、再びドル安・円高が進行した。
途中、ムニューチン米財務長官から「強いドルは米経済に対する信頼の証」とのた発言も聞かれたが、相場を押し上げるまでには至らず。米株や米金利動きをにらみつつ、週末には111円台まで下落し、若干戻した112.10円レベルでNYを大引け、越週となった。
今週の見通し
今週は、材料が多いなか、まずは根強いドル売り・円買い圧力を見極める展開となりそうだ。
週の半ばから3月相場入りすることもあり、日本企業による3月決算対策、いわゆる「リパトリエーション」と呼ばれる国内勢による外貨資産売却にともなう円転(円買い)や、国内輸出企業による駆け込み的な円買いの為替予約も環境的に観測されやすい。投機的な売買を除いた経常需給の面からは、週間を通してやや円高が有利な状況であるのかも知れない。
一方、材料的には週明けから注目材料が目白押しながら、「特に」となると28日に予定されているトランプ米大統領による施政方針演説が要注意か。改めて指摘するまでもなく、トランプ氏の発言に対する市場参加者の関心が高いだけに、演説において改めて失望や好材料出尽くしといった様相を呈すれば日米の株安や、為替市場においてはリスク回避の円買いが強まる可能性もある。
また、それとは逆に、市場の事前期待以上の内容が示されるようだと、株高・円安ということになる公算が大きいだろう。
材料面からもうひとつだけ注意すべき要因を挙げると、週末3月3日のイエレンFRB議長の講演を中心とした米金融当局者の発言になる。マーケットは3月の米利上げをめぐり右往左往、ここ最近はマーケットのかく乱要因となっている。それだけに、今週も米要人の発言をめぐり一喜一憂、良好な米経済指標の発表もさることながら、FRB議長や米地区連銀総裁などから早期利上げを後押しするような前向き発言が出れば、ドルの支援になりそうだ。
なお、そんな今週のドル/円予想レンジは、109.80-114.40円。ドル高・円安方向については前述したように、実需筋のオーダーなどもあり上値は重いイメージ。115円は近くて遠い存在か。対するドル安・円安方向は、直近で3度割り込めていない111.60円前後の攻防が注目されるものの、下抜ければ心理サポートである110円を目指した続落を否定できなくなる。(了)
オーダー/ポジション状況
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