米FOMCを注視、ドル高再燃なるか要注意
〇先週のドル円、BOJ政策会合等を受け一時乱高下するも週間通し動意薄、148.15レベルで越週
〇日銀は「金利の現状維持」を発表、フォワードガイダンスにも変更なし
〇今週はFOMC(現地時間1/31)のほか、米1月ISM製造業景況指数、雇用統計等の重要指標発表予定
〇FOMC「据え置き」予想ほぼ確実か、利下げ時期とスタンスに要注目
〇テクニカルには1/19の148.80を目先トップに上げ渋りの様相、FOMC等を受け150円の壁超えられるか
〇予想レンジは146.30-149.80、ドル高・円安方向、目先は前回高値148.80の攻防にまずは注目
〇ドル安・円高方向、147円半ばまで切り上がってきた移動平均の90日線が最初のサポートか
<< 先週の回顧 >>
先週のドル/円相場は結果揉み合い。週間を通した値幅も2円程度にとどまったうえ、週足は寄り付きと大引けがほぼ同じ水準、「寄り引き同時線」の様相だった。
前週末は、朝鮮中央通信が「ロシアのプーチン大統領が早期の訪朝を表明」と報じ話題に。また米国では、上下院ですでに可決されていたつなぎ予算法案にバイデン氏が署名し、成立。少なくとも2月末までの連邦政府機関閉鎖は回避されていた。
そうした状況下、ドル/円は148.10-15円で寄り付いたものの、前述したとおり週間を通して全般的に動意は乏しい。週間を通した最大の注目要因だった日銀による政策金利結果の発表などを受け、23日や24日にやや荒っぽい変動をたどるも、一時的かつ結果は「行って来い」。次の流れを作るまでには至らず、週末NYは148.15円レベルと、週明けオープンレベルで大引けて越週している。
一方、週間を通して注視されていた材料は、「日銀金融政策」と「中国株価情勢」について。
前者は、日銀が金融政策会合の結果として23日に「金利の現状維持」と発表。大勢の予想通りの結果ながら、金融政策のフォワードガイダンスにも変更はなく、こちらについてはやや意外感を抱く向きもあった。ただ、そののち植田総裁は会見で「目標見通せれば、マイナス金利含む緩和策の継続の是非を検討」などと発言。特筆するほど目新しい発言だとも思われないが、植田総裁会見は市場で話題となっていた。なお、日銀会合ならびに総裁会見についての評価について、時事通信では「日銀が大規模金融緩和策の正常化に向け歩みを進めている」と肯定的に捉えて報じていた反面、ブルームバーグはコラムにおいて「植田総裁が行った前向きな発言のいくつかに市場は飛び付いているが、それらは条件付きの発言」としたうえで、「ここから大きな円の上昇はない」と指摘。やや対照的な見解で報じている。
それに対して後者は、中国の上海総合指数が昨22日に5年ぶりの安値を示現。また翌23日もザラ場ベースで続落し前日安値を更新していた。そうしたなか、李首相が議長を務める閣議で株価対策を議論。「市場の信認を支えるためにより強力で効果的な措置を講じるとの方針を示した」−−と、中国国営メディアを通じ伝えられている。またブルームバーグが続報として「中国が株式市場の下支えを検討、2兆元(約2780億ドル)規模」などと報道していた。連日の報道効果もあり、以降週末にかけて株価は持ち直しているものの、上値は重そうだ。目先の下値リスクが後退したとはいえ、上値は3000の壁に阻まれるといった声も聞かれている。
<< 今週の見通し >>
先週のドル/円相場は、週明けに日銀会合の結果発表という材料があったものの、週間を通してわずか2円レンジ。それほど大きく動意づく展開とはならなかった。今年は週明け以降だけで、すでに8円となかなか大きな値動きをたどっており、荷もたれ感などを指摘する声も聞かれている。リスクそのものはドル高方向だが、果たして150円の壁を超えるような展開をたどることになるのかまずは注目だ。また、可能性は低いものの仮に接近するような局面となった際には、日本当局の円買い介入などにも一応要注意。
先週の日銀やECBに続き、今週は米国の政策金利発表が予定されている。ちなみに、政策金利そのものは「据え置き」予想でこれはほぼ確実か。問題は先行きについてで、市場で当初大勢だった「3月利下げ観測」が後退し、現在は「5月利下げ観測」が有力視されているが果たしてどうなるか。今後発表されるデータ次第などと言いつつ、強気なスタンスを維持する可能性も取り沙汰されており、その場合には米金利高・ドル高要因となりそうだ。なお、それとは別に29日の香港高等法院(高裁)による「中国恒大集団の清算申し立てに関する審理」を警戒している向きも少なくない。
テクニカルに見た場合、ドル/円の基本的な方向性は引き続きドル高にバイアス。しかし、19日の148.80円を目先トップに上げ渋りの様相だ。150円は近くて遠い存在になっている。
今週は米FOMCの結果発表などを受け、そんな150円に接近あるいは超えていくことが出来るのかにまずは注目。抜ければ少し遠いが151.92円が再び視界内に捉えられる反面、147円半ばに位置する90日線をしっかり底割れすれば下値余地が拡大しかねない。
そうしたなか今週は、1月のISM製造業景況指数や同雇用統計といった非常に重要な米経済指標が発表され、もちろんそれらは要注意。しかし、週間最大の要因はやはり現地時間31日に結果が公表される米FOMCとなろう。いずれにしても、発表前後の市場は波乱含みか。
そんな今週のドル/円予想レンジは、146.30-149.80円。ドル高・円安については、目先は前回高値148.80円の攻防にまずは注目。抜ければ150円が視界内に。
対してドル安・円高方向は、147円半ばまで切り上がってきた移動平均の90日線が最初のサポートか。割り込むと、146円半ばにしばらく横たわる一目均衡表の先行帯の雲の上限がターゲットとなりそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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