タカ派発言を材料に雲上限7.95円水準突破を試す展開
【先週の南アフリカ・ランド】
先週のランドは、ハニャホ南アフリカ中央銀行総裁のタカ派発言を受けて、昨年12月1日以来の水準まで上昇した。
25日、注目された南アフリカ中央銀行会合(SARB)では市場予想通り政策金利8.25%を据え置いた。ハニャホ南ア中銀総裁からは、「利下げを正当化するような明確なディスインフレ傾向は見られない」とタカ派な発言を確認。
24日に南アフリカ統計局が発表した12月消費者物価指数(CPI)は前年同月比5.1%上昇と、伸びは2カ月連続で縮小し、中銀が目標とする3-6%のレンジ内にとどまった。ただ、中銀はインフレ目標の回復に向けたペースは鈍いと指摘。ハニャホ中銀総裁は、記者会見で「インフレ率が目標レンジの中間値に向けて低下していることを示す明確なトレンドは見られていない」と述べた。
早期の利下げ開始への思惑が後退したことから、週末にかけてランドは上昇。昨年12月1日以来となる7.90円台まで買われた。
ランド・円(東京時間:1月22日―1月26日)※Investing.comの日足を参照
始値:7.7920円
高値:7.9040円
安値:7.6933円
終値:7.8857円
【今週の重要指標】※時間は東京時間
1月30日
15時00分、12月マネーサプライ、前回:5.46%、市場予想:5.50%
1月31日
21時00分、12月貿易収支、前回:210億ランド、市場予想:100億ランド
2月1日
18時00分、1月ABSA製造業PMI、前回:50.9、市場予想:50.0
20時00分、電力消費(前年比)、前回:−2.7%
20時00分、発電(前年比)、前回:−3.35
※予定は変更することがございます。
【今週の見通し】
今週のランドは、ハニャホ中銀総裁のタカ派発言が引き続きランドを押し上げる地合いとなりそうだ。
今週は売買手掛かりとなる経済指標の発表は予定されていないことから、1月30−31日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)など外部環境に左右されがちだが、ドットチャート公表がない今回のFOMCは無風での通過となる公算が大きい。
となれば、テクニカル要因がポイントなりそうだ。日足の一目均衡表では、雲への突入を果たしており、7.95円水準の雲上限を意識した格好に。遅行スパンが実線を上抜いたほか、転換線も基準線を上抜いていることから反発は強まりやすい。
12月に跳ね返された50日移動平均線を今回は突破していることから、いったん雲上限の7.95円水準はターゲットとして意識されやすい。雲上限到達となれば、自然と8.0円台をターゲットとした地合いとなるだろう。
目立った売買材料に乏しいタイミングだからこそ、テクニカル面が意識されて反発継続の地合いを想定する。
南アランド日足
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