利上げサイクル終了で史上最安値更新を意識か
【先週のトルコリラ】
先週のトルコリラは、トルコ中央銀行(トルコ中銀)が利上げサイクルの終了を示唆したことから上値が重くなり、売り優勢となった。
25日、トルコ中銀は市場予想通り2.5%引き上げ45.0%とした。声明では、
「委員会はインフレ期待と価格設定行動が引き続き改善の兆しを示していると評価」
「金融引き締めの影響の遅れを考慮して、委員会はディスインフレコースを確立するために必要な金融引き締めは達成されており、この水準は必要な限り維持されると評価」
「委員会は毎月のインフレの基調傾向が大幅に低下するまで、またインフレ期待が予想される予測範囲に収束するまで、政策金利の現行水準が維持されると評価」
「インフレ見通しに対する顕著かつ持続的なリスクが顕在化した場合、委員会は金融政策のスタンスを再評価する」
「金融引き締めの効果の遅れを考慮し、委員会はインフレの基調的傾向の低下を確実にし、中期的に5%のインフレ目標を達成するために必要な金融・金融条件を生み出すような形で政策決定を決定し続ける」
と、利上げ終了を示唆したことから、昨年12月20日以来の4.95円水準まで戻していたトルコリラは反落。週末には、4.81円まで下落するなど軟調推移となった。
トルコ・円(東京時間:1月22日―1月26日)※Investing.comの日足を参照
始値:4.9050円
高値:4.9550円
安値:4.8151円
終値:4.8855円
【今週の重要指標】※時間は東京時間
1月31日
16時00分、12月貿易収支、前回:−59.2億ドル、市場予想:−61.0億ドル
17時00分、12月外国人観光客(前年比)、前回:−1.0%
2月1日
16時00分、1月製造業PMI、前回:47.4
※予定は変更することがございます。
【今週の見通し】
今週のトルコリラは、リラ売りが強まることで1月1日につけた史上最安値4.7503円をうかがう可能性がある。
米ムーディーズのポジティブなニュースで投資家のモメンタムが改善していたが、トルコ中銀の利上げサイクル終了示唆を受けて、トルコリラ買いは手控えられている。
先週の1月景気動向指数や1月設備稼働率がさえなかったことから、トルコ経済の先行き不透明感が高まっていることから、今週の1月製造業PMIも市場予想下振れとなった場合、トルコリラ売りが強まる可能性はある。
テクニカルでは、日足の一目均衡表で三役逆転が示現しているが、遅行スパンが実線をとらえる可能性もある。雲下限に届くような水準ではないが、1月3日の史上最安値4.7396円をボトムにじりじりと下値を切り上げているように見えることから、反発への期待感は残っている。
一方、切り下がっている50日移動平均線が上値抵抗線として意識されていることから、この水準を明確に上抜けられなければ5.0円台回復を意識した反発は入りにくい。トルコリラは正念場を迎えている状況と言えよう。
トルコ円日足
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