FOMC(1月30日-31日開催)のポイント: 「サプライズ無しで無風通過か」(24/1/29)

2024年最初の米連邦準備制度理事会(FRB)による米連邦公開市場委員会(FOMC)が、1月30日‐31日に開催される。

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FOMC(1月30日-31日開催)のポイント: 「サプライズ無しで無風通過か」(24/1/29)

FOMC(1月30日-31日開催)のポイント: 「サプライズ無しで無風通過か」

【今回のポイント】

〇 政策金利は据え置き
〇 3月利下げ観測をけん制
〇 週末に雇用統計を控えているため積極的な売買は手控え

【市場コンセンサスは何?】

2024年最初の米連邦準備制度理事会(FRB)による米連邦公開市場委員会(FOMC)が、1月30日‐31日に開催される。東京時間1月28日18時時点のFOMCコンセンサスは下記の通りである。

・政策金利5.25%(下限)−5.50%(上限)据え置き
・利下げ時期に関しては明言せず

【何がサプライズになる?】

今回のFOMCは、ドット・チャートの発表が無いこともあり、無風での通過を想定する市場関係者が多い。FOMC後のパウエルFRB議長の記者会見でも利下げ時期に関する明言は無いだろう。

CMEグループが算出するFed Watchでは、利下げ開始のタイミングを3月頃と見ている割合が約5割となっており、2024年中に6回の利下げを織り込んでいる。

昨年12月会合で、FRBは2024年は3回の利下げを見ており、Fed Watchとの乖離は大きい。あくまでも金利先物市場の関係者の思惑が詰まったことを考慮すると、Fed Watchの見方は「参考程度」と考えておいた方が良さそうだ。

FRBが目指す2%のインフレ率は、一部の指標ではすでに達成している。コア価格指数は6カ月間の年率ベースで12月に1.9%上昇と2カ月連続で2%を下回った。これは、雇用やインフレ率などFRBが注目しているデータの一つにしか過ぎないことから、このデータのみでFRBの方向性が決まるわけではない。

足元では、大寒波によって米シェールオイル採掘量が減少しており、原油価格はじりじりと上昇。エネルギー価格の上昇を気にするコメントは出るだろうが、今時点で24年のインフレ率にどのような影響を与えるかまで言及はしないだろう。

つまり、今回のFOMCは、無風通過でサプライズはない、と考えている。

【では、ドルはどう動く?】

今回はサプライズ無しの見通しなので、コンセンサス通りのパターンのみ想定する。

米当局高官からは「早期の利下げは時期尚早」といった発言もあることから、Fed Watchが見込んでいる3月利下げ開始へのけん制コメントが出ると想定。

グールズビー・シカゴ連銀総裁の「投資家は利下げについて先走っており本末転倒だ」というコメントに、パウエルFRB議長を筆頭に米当局高官の思いが詰まっている気がする。

パウエルFRB議長は12月会合の発言とほぼ同じ、もしくは、3月利下げ開始へのけん制発言が想定線だ。米10年債利回りは瞬間的に動くだろうが、4.0%から4.1%のレンジに留まると考える。

発表後、数日、ドルは主要通貨に対して上下に1%弱動くかもしれないが、現在の対円での147円前後、対ユーロでの1.09ドル前後に収れんすると想定する。

FOMC通過後も、2日に米雇用関連の重要経済指標が発表されることから、短期的な売買に留まり様子見ムードが強くなると考える。

【最近のFOMC関係者の発言は?】

ここ最近でFOMC関係者の発言を拾った。もっとも、ブラックアウト期間の関係上、FOMC関係者による最後の発言は1月20日となる。

※ブラックアウト期間とは、主に中央銀行会合の前々週の土曜日から開始される。例えば FOMCが火曜日と水曜日に開催される場合は、会合翌日の木曜日まで計13日間続くこととなる 。

デイリー・サンフランシスコ連銀総裁(1月20日)
「利下げが近いと考えるのは時期尚早」
「政策金利を調整する自信を得るにはより多くの証拠が必要」

ボスティック・アトランタ連銀総裁(1月20日)
「利下げ前にインフレ率が2%に向かっていることを確認したい」
「インフレとデータが改善すれば利下げ見通しを変更することに前向き」

グールズビー・シカゴ連銀総裁(1月19日)
「物価のインフレは正常に戻り、サービスインフレも驚くべき進展を見せている」
「住宅インフレのさらなる進展を見る必要」
「市場は経済データに注目すべき」
「FRBは労働市場からの差し迫った脅威に直面していない」
「インフレの進行が逆転すれば利上げする可能性も」
「インフレに関して良い進展があれば、それを政策金利に反映させなければならない」

ボスティック・アトランタ連銀総裁(1月18日)
「インフレは2%目標に向けた軌道にあるもよう」
「最悪の結果は利下げしてから再び利上げしなければいけないこと」
「インフレ進展が鈍化した場合、金利を高水準に長期間維持することが望ましい」

米地区連銀経済報告(ベージュブック)(1月18日)
「全体として、米経済活動は前回の報告書以降ほぼ変わらず、もしくは全く変化がなかった」
「差があった4地区のうち、3地区は緩やかな成長を報告し、1地区は緩やかな減少を報告」
「ほぼすべての地区で、製造活動が減少」
「6地区では僅かな、もしくは緩やかな価格上昇が報告され、2地区では穏やかな価格上昇が報告された」
「3地区の企業は、価格上昇が今後1年間でさらに緩和されると予想。また、4地区の企業はほとんど変化がないと予想」

グールズビー・シカゴ連銀総裁(1月15日)
「投資家は利下げについて先走っており本末転倒だ」
「金利に関する決定を左右するのはデータ次第」

グールズビー・シカゴ連銀総裁(1月12日)
「利下げ前にさらなるデータを確認する必要がある」

バーキン・リッチモンド連銀総裁(1月12日)
「本日の米CPIはほぼ予想通りであり、全体としては緩やかな推移を示唆」

メスター・クリーブランド連銀総裁(1月12日)
「12月CPIの結果は我々の仕事がまだ終わっていないことを示唆」
「今年もインフレ率は引き続き低下するとの予測」
「今年は2%の目標に届かないだろう」
「3月は利下げには早すぎる」
「まだ利下げするには至っていない、経済が予想通りに進んでいるというより多くの証拠が欲しい」

【2024年スケジュール】

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