FOMCのポイント: 0.25%利下げ実施の公算大、次期大統領に配慮した声明及び記者会見に(24/11/4)

連邦準備制度理事会(FRB)による連邦公開市場委員会(FOMC)が、11月6日‐7日に開催され、東京時間11月8日未明に結果が伝わる。

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FOMCのポイント: 0.25%利下げ実施の公算大、次期大統領に配慮した声明及び記者会見に(24/11/4)

0.25%利下げ実施の公算大、次期大統領に配慮した声明及び記者会見に

【今回のポイント】

〇 政策金利は0.25%引き下げ
〇 年内追加利下げ実施を示唆
〇 直前に実施された米大統領投開票の結果も重要

【市場コンセンサスは何?】

連邦準備制度理事会(FRB)による連邦公開市場委員会(FOMC)が、11月6日‐7日に開催され、東京時間11月8日未明に結果が伝わる。東京時間11月3日17時時点のFOMCコンセンサスは下記の通りである。

・0.25%の利下げを実施
・12月も0.25%の利下げ実施を示唆

【何がサプライズになる?】

CMEが提供するFed Watchでは、11月に0.25%ずつ利下げをすると予想している割合が9割超、12月も0.25%利下げすると予想している割合は8割超となっている。市場コンセンサスはほぼ鉄板といった状況にあり、パウエルFRB議長の記者会見を含めても無風通過を予想する関係者が多い。そもそも、5日の米大統領選挙の投開票直後のFOMCであるため、アグレッシブな声明や発言は行わないとの見方が強く、FRBはノーサプライズを選択せざるを得ないと考える。

【では、ドルはどう動く?】

次期大統領は東京時間6日午後辺りに判明する可能性が高いが、市場がやや織り込みを強めているトランプ氏が勝利した場合は、財政拡大への思惑が強まり、もう一段ドル高の動きが強まるだろう。一方、ハリス氏の場合は、トランプトレードの逆回転が発生することから、ドル売りの流れが強まると考える。

ドルインデックスは9月末の100割れ水準から104.2水準まで上昇した。米経済のソフトランディング期待が大きいが、米金利上昇の背景にはトランプトレードも影響しており米10年債利回りは4.38%水準まで拡大している。10年物国債の日米金利差は3.3%近くまで拡大しているほか、CFTCが公表している10月29日時点の投機筋の円ポジションも8月6日以来、約3カ月ぶりに円売りポジションに傾いた。大統領選挙の結果次第では、日米金利差に着目した円キャリートレードが再燃する可能性も意識しておきたい。

ドルは、米大統領選挙の結果次第では、上下に大きく振れる公算が大きいことから、足元動きが強かった対円、対ユーロは要注意となろう。トランプ氏勝利の場合、日米金利差拡大に伴う思惑が強まり、ドルは150円台半ばから後半まで上昇すると予想。ユーロ・ドルは昨年10月以来の1.05ドル割れも視野に入り、長期的にはパリティが意識されそうだ。

一方、ハリス氏勝利の場合、トランプトレードの逆回転が発生するため、対円では140円台後半まで一気にドル売り円高が進むと考える。ユーロ・ドルは、1.10ドル台までは瞬間的に値を戻しそうだ。

【最近のFOMC関係者の発言は?】

10月中旬から10月下旬にかけてのFOMC関係者などの発言を拾ってみたが、年内2回程度(0.5%の利下げ)を見込んでいる関係者が多く、足元の経済に対しては強気見通しのタカ派が多い印象だ。

※ブラックアウト期間とは、主に中央銀行会合の前々週の土曜日から開始される。例えば FOMCが火曜日と水曜日に開催される場合は、会合翌日の木曜日まで計13日間続くこととなる 。

10月24日、ベージュブック
「全体として、雇用はわずかに増加し、半数以上の地区がわずかまたは緩やかな拡大を報告し、残りの地区はほとんど変化がないと報告」
「多くの地区が労働者の離職率が低く、解雇は限定的であると報告」
「賃金は一般に、わずかまたは緩やかなペースで上昇が継続」
「複数の地区で賃金上昇のペースが鈍化」
「一部では通常よりも大きな賃金上昇が報告された」
「インフレは引き続き緩和し、ほとんどの地区でわずかにまたは緩やかに上昇したと報告」
「住宅価格は多くの地区でわずかに上昇したが、家賃は横ばいまたはわずかに下落した」

10月22日、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁
「今後も追加利下げが行われると予想」
「経済に合わせて政策を調整し続ける」
「利下げを停止する理由は目にしていない」

10月22日、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁
「財政赤字の拡大は金利上昇を意味する」
「インフレを引き起こしたのは労働市場ではない」

10月21日、ローガン・ダラス連銀総裁
「経済が予想通りなら、段階的な利下げを予想」
「FRBは政策選択において機敏に動く必要がある」
「経済は力強く安定している」
「雇用市場の下振れリスク、インフレ目標への継続的なリスクを認識」
「バランスシート縮小と利下げは同じ方向」

10月19日、ボスティック・アトランタ連銀総裁
「リセッションは私の見通しにはなかった」
「0.50%の利下げでFRBはいかなる事態にも備えられる」
「インフレが上昇すればFRBは積極的に行動する」

10月16日、ボスティック・アトランタ連銀総裁
「米経済の力強い継続を予想」
「インフレが2%に戻ることをかなり確信」

10月16日、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁
「予測通りなら、年内に1回か2回の利下げが実施される可能性が高い」
「成長については慎重ながらも楽観的」
「FRBは大きな混乱なくインフレを抑制することができた」
「中立金利はかつてよりも高い」

10月15日、ウォラーFRB理事
「基本シナリオでは、今後1年間で政策金利を徐々に引き下げる必要」
「政策金利は現在、抑制的」
「可能性は低いが、インフレが2%を下回るか労働市場が悪化した場合、FRBは前倒しで利下げできる」
「インフレが予想外に上昇した場合、FRBは利下げを一時停止する可能性がある」
「最新のインフレデータは期待外れ」

10月14日、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁
「経済はインフレ率を2%に戻す最終段階にある」
「金融政策がどの程度制限的であるかは不明」
「雇用市場は依然として堅調」
「最近の雇用データは労働市場が急速に弱体化していないことを示唆」
「さらなる緩やかな利下げが適切と思われる」
「金融政策の今後の方向性はデータと経済の動向によって左右される」

10月12日、ローガン・ダラス連銀総裁
「緩和政策でもインフレは抑制される」
「最近のインフレデータは非常に歓迎すべき」

10月11日、ボスティック・アトランタ連銀総裁
「これまでの金利スタンスはもはや適切ではなかった」
「9月の0.50%の利下げは十分に正当化された」
「最新のインフレ、労働市場データにより、FRBは忍耐強くなれる」
「残りの会合のいずれか、またはいずれも利下げする根拠が示される可能性」
「11月の金利据え置きについて、私は間違いなくオープン」
「月次の経済データは不安定になると予想」
「今年の利下げをスキップしても全く問題ない」

10月11日、ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁
「経済がFRBのさらなる利下げを許容すると予想」
「インフレ率は今年2.25%に低下し、来年は2%近くまで下がると予想」
「今年のGDPは2.25%から2.50%の間と予想」
「最近のFRBの利下げにより、経済は好調な状態になるはず」
「今後の利下げのペースと規模は経済データ次第」
「失業率は2025年に4.25%前後になると予想」

10月10日、バーキン・リッチモンド連銀総裁
「インフレは正しい方向に向かっている」
「インフレは低下しているが勝利を宣言することはできない」
「金利低下が住宅需要を押し上げるリスクを認識」

10月10日、グールズビー・シカゴ連銀総裁
「インフレは予想通り、住宅市場は改善」
「FRBはより長期的な視点を持つ必要がある」

【2024年スケジュール】

※米国は現地時間を記載しているので、金利発表及び記者会見は日本時間翌日未明

0.25%利下げ実施の公算大、次期大統領に配慮した声明及び記者会見に

米連邦公開市場委員会(FOMC)
1月30日−31日・・・4会合連続で金利据え置き
3月19日−20日・・・5会合連続で金利据え置き、パウエルFRB議長は、年内利下げの可能性を再表明
4月30日−5月1日・・・6会合連続で金利据え置き、パウエルFRB議長はややハト派な発言
6月11日−12日・・・7会合連続で金利据え置き、24年利下げ回数は3回から1回に修正
7月30日−31日・・・8会合連続で金利据え置き、9月利下げ実施を示唆
9月17日−18日・・・4年半ぶりの利下げを実施、パウエルFRB議長は利下げを急がない姿勢強調
11月 6日− 7日・・・0.25%の利下げを実施、12月も0.25%利下げ実施を示唆
12月17日−18日

0.25%利下げ実施の公算大、次期大統領に配慮した声明及び記者会見に 2枚目の画像

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