ドル円 下値余地拡大するも、基本は明日以降の材料待ち(11/4夕)

アジア市場はドルが弱含み。上方向にギャップを空けて寄り付き、その後もドルは冴えなかった。

ドル円 下値余地拡大するも、基本は明日以降の材料待ち(11/4夕)

下値余地拡大するも、基本は明日以降の材料待ち

〇アジア時間のドル円、寄り付き152円台で上方向にギャップ空け、ドル売りの流れ継続、一時152円割れ
〇ドルが弱含み、先週安値を下回る展開、16時現在は安値圏152.10-20で推移
〇トランプ氏、相次ぐ失言で当初の優位性が失われつつあるか
〇米大統領選受け為替や金融市場が荒っぽい変動をたどる展開に要注意
〇ドル高円安方向、152.60レベルが最初の抵抗、上抜けると153円前後がターゲット
〇ドル安円高方向、200日線も近い151.60レベルの攻防に注目、下回ると下値余地が拡大しかねない
〇欧米時間のドル円予想レンジ:151.60-152.90

<< アジア市場の動き >>

アジア市場はドルが弱含み。上方向にギャップを空けて寄り付き、その後もドルは冴えなかった。

週末に話題を集めていたのは米大統領選。5日にいよいよ実施されるが、トランプ氏の相次ぐ失言などもあり、指摘されていた当初の優位性が失われつつあるようだ。一方、イランによるイスラエル報復が「数日内」に行われるとの報道が観測され、物議を醸していた。
そうした状況下、ドル/円は上記米大統領選の観測を受け、ドル安・円高でスタート。前週末のNYクローズは153円前後だったが、寄り付きは152円台で上方向にギャップを空けている。その後も東京休場で商いが薄いなか、ドル売りの流れは継続し一時152円割れ。16時現在でもドルは安値圏152.10-20円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「米大統領選」と「中東情勢」について。
前者は、先週末の金曜日に発表された米雇用統計が予想以上の悪化。それを受け、ロイターが「11月の0.25%利下げはほぼ確実に」と報じるなか、米与野党で舌戦が繰り広げられていた。トランプ氏はここぞとばかりにバイデン政権を批判、「米経済を崖から落とした」などと指摘していた。それに対してバイデン氏は「ハリケーンとストライキで低下した。被害の復旧が進んでおり、11月には回復する」と一時的な落ち込みだったと述べていたようだ。なお、そうしたなかトランプ氏は、党内の反トランプ派であるチェイニー元下院議員に「銃口を向けてみよう」と述べたほか、「報道機関関係者が銃撃されたとしても気にしない」と発言したとされ、その内容の過激さがそこここで失望、そしてトランプ離れを呼んでいたようだ。一方で、トランプ氏は「ペンシルベニア州で不正な投票が行われている」などの主張も取り始めており、こちらも別途話題になっていた。

後者は、レバノン大使がヒズボラとイスラエルの停戦案について、「受け入れられない」とし非難するなか、ロイターも「レバノンとパレスチナ自治区ガザをめぐる停戦交渉はいずれも難航している」と報じていた。一方、イランの最高指導者は演説で「イスラエルへの再報復」を宣言。それを受ける格好で、「イランの再報復は『数日内』の可能性」といった報道も観測されている。また、それとは別に米国防総省のライダー報道官は、中東に戦略爆撃機などを追加で派遣すると発表していた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、東京休場のなかドルが弱含み。早くも先週安値を下回る展開となっている。ややドル安方向のリスクを感じさせる足形で、151円半ばに位置する移動平均の200日線をしっかり下回ると、ドルの下値余地がさらに拡大しかねない。しかしながら、今週は注目要因が目白押し。したがって、それらの内容如何では流れが再びドル高へと戻る可能性もある。油断は禁物だろう。
引き続き日米金融政策が注視されており、そのうち今週は米国の金融政策が発表される。ちなみに市場では「0.25%の利下げ」見通しが大勢となっている。また、そんな米金融政策とともに注視されているのが、5日の米大統領選。情勢が二転三転するなか、少し前までは「トランプ氏有利」と言われていたものの、直近では「互角」あるいは「ハリス氏がわずかにリード」などとされている。いずれにしても、どんな結果になろうとも為替や金融市場が、米大統領選を受けて荒っぽい変動をたどる展開には要注意だ。

テクニカルに見た場合、ドル/円は本日アジア時間にドルが続落してきた。まだ辛うじてドル高基調そのものは続いていると思われるが、移動平均の200日線をしっかり下回ると、トレンド転換にも注意する必要が出てきそうだ。
それに対する抵抗は、本日早朝に空けてまだ埋めきっていない152円後半のギャップ。これをしっかり埋め、さらにドル高が進行するようだと、先週示現した高値153.88円が再び視界内に。

本日は米経済指標として、9月の製造業受注指数や同耐久財受注確報などが発表される予定となっている。しかし、今週は明日以降に米大統領選など重要なイベントが予定されていることもあり、大きな動意には結び付きにくいとの見方も少なくないようだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは151.60-152.90円。ドル高・円安方向は、まず本日アジア高値の152.60円レベルが最初の抵抗。上抜けると153円前後がターゲットとなる。
対するドル安・円高方向は、移動平均の200日線もさほど遠くない、本日アジア時間安値の151.60円レベルの攻防にまずは注目。下回るとさらに下値余地が拡大しかねないだろう。

下値余地拡大するも、基本は明日以降の材料待ち

ドル円日足


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