ドル円、ポジション調整主導で上値の重い展開。いよいよ米大統領選がスタート(11/5朝)

週明け4日(月)のドル円相場は上値の重い展開。

ドル円、ポジション調整主導で上値の重い展開。いよいよ米大統領選がスタート(11/5朝)

ポジション調整主導で上値の重い展開。いよいよ米大統領選がスタート

〇ドル円、米10月雇用統計の冴えない結果、米大統領選を巡る先行き不透明感等に151.53まで下落
〇その後は米9月耐久財受注の好調と米金利下げ幅縮小に152円台を回復
〇ユーロドル、1.09を挟んで方向感に欠ける動き
〇ドル円、ダウンサイドに複数のサポート並び、強い買いシグナルも継続、地合い維持
〇ファンダメンタルズも日米金利差縮小観測後退、米大統領選後のドル高期待等がドル円をサポート
〇ドル円相場の一巡後の持ち直しをメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:150.50ー154.50

海外時間のレビュー

週明け4日(月)のドル円相場は上値の重い展開。アジア時間朝方にかけて、高値152.58まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)前週末金曜日に発表された米10月雇用統計の冴えない結果(今週予定されている米FOMCでの25bp利下げを完全に織り込む展開)や、(2)米大統領選を巡る先行き不透明感(直近の世論調査でハリス氏が激戦区でやや優勢との観測報道→トランプ・トレードの巻き戻し→米金利低下・米ドル売り)、(3)テクニカル的な地合いの悪化(一目均衡表転換線の下方ブレイク)、(4)重要イベント(米大統領選や米FOMC)を控えたポジション調整が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値151.53まで下落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(5)200日移動平均線を背にした押し目買い圧力や、(6)米9月耐久財受注・確報値(結果▲0.7%、予想▲0.8%)の市場予想を上回る結果、(7)米長期金利の低下幅縮小が支えとなり、本稿執筆時点(日本時間11/5午前6時30分現在)では、152.18前後まで持ち直す動きとなっております。

週明け4日(月)のユーロドル相場は方向感に欠ける展開。アジア時間朝方にかけて、安値1.0870まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)前週末金曜日に発表された米10月非農業部門雇用者数の冴えない結果や、(2)米大統領選を巡る先行き不透明感(トランプ・トレードの巻き戻し→米金利低下・米ドル売り)、(3)ドイツ10月製造業PMI確報値(結果43.0、予想42.6)の市場予想を上回る結果、(4)ユーロ圏10月製造業PMI確報値(結果46.0、予想45.9)の市場予想を上回る結果が支えとなり、米国時間朝方にかけて、高値1.0915まで上昇しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、引けにかけて反落し、本稿執筆時点(日本時間11/5午前6時30分現在)では、1.0875前後まで値を崩す動きとなっております。

本日の見通し

ドル円は一時151.53まで下落するなど、上値の重い展開が続きました。先週末金曜日に発表された米雇用統計が不冴な結果となったことや、米大統領選の世論調査でハリス氏優勢の近況が報じられたこと、重要イベント前にポジション調整の動きが強まったこと等が、ドル円下落の背景と考えられます。但し、ダウンサイドに複数のサポートポイントが並んでいることや、強い買いシグナルを示唆する「21日移動平均線と90日移動平均線のゴールデンクロス」「一目均衡表三役好転」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは崩れていない(足元の下落は上昇トレンドの過程で見られる一時的な押し目)と判断できます。事実昨日は200日移動平均線にサポートされる形で引けにかけて持ち直しました。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀による過度な利上げ期待の後退(植田日銀総裁は先週開催された日銀金融政策決定会合後の記者会見で市場参加者に注目されていた「時間的余裕」というワードを用いなかったものの、衆院選での与党大敗を受けて政局不透明感が高まる中、日銀による追加利上げ実施は以前にも増して難しくなったとの見方が市場コンセンサス→国民民主党の玉木雄一郎代表も11/1に「春闘の動向を見極める必要があるため、来年3月までは利上げをすべきではない」と発言)や、(2)米FRBによる過度な利下げ期待の後退(先週末金曜日に発表された米10月雇用統計は不冴な結果となったものの、今回はハリケーン被害やボーイング社のストライキの影響が含まれている可能性があるため、今回の数字を以って米FRBによるハト派スタンスが強まる可能性は低い)、

(3)上記1、2を背景とした円キャリートレードの継続期待、(4)米大統領選後のドル高期待(トランプ氏もハリス氏も大幅減税と財政出動を公約に掲げているため、いずれの候補者が大統領に就任したとしても米長期金利に上昇圧力が加わり易い)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。中国政府による景気刺激策(今週開催される中国全人代常務委員会にて特別国債の追加発行規模など新たな景気刺激策が発表される可能性あり)も、リスク選好の円売りを通じて、ドル円の押し上げに繋がると見られることから、当方では引き続き、ドル円相場の一巡後の持ち直しをメインシナリオとして予想いたします。

尚、本日よりいよいよ注目の米大統領選挙がスタートしますが、トランプ氏vsハリス氏の結果判明には数日程度時間を要するとの見方が市場コンセンサスとなっております(激戦州の開票作業に相応の時間を要すると見られているため)。

本日の予想レンジ:150.50ー154.50

注:ポイント要約は編集部

ポジション調整主導で上値の重い展開。いよいよ米大統領選がスタート

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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