ドル円、動揺収まらず、荒っぽい変動続く可能性も(12/8夕)

8日の東京市場は荒れ模様。片道だけでも2円近く、それを往復したので計3.5円を超える大変動だった。

ドル円、動揺収まらず、荒っぽい変動続く可能性も(12/8夕)

ドル円、動揺収まらず、荒っぽい変動続く可能性も

〇本日ドル円、日中高値の144.30-35をつけるも、その後142円半ばまで値を崩す荒っぽい展開
〇ドル円は昨日欧米時間に一時141円を付けるなど、終日でドルは5円強の変動
〇本日東京時間に一度も141円台をつけず、油断は禁物だが昨日安値141.62が当面の底になった可能性も
〇本日発表の米雇用統計の内容にも要注意、ドル売り再燃により昨日安値をうかがう展開を警戒する声も
〇予想レンジは143.00-145.50、ドル高・円安方向は145円から145円半ばが最初の抵抗か
〇ドル安・円高方向は、敢えて指摘すれば本日東京安値の142円半ばがサポートか

<< 東京市場の動き >>

8日の東京市場は荒れ模様。片道だけでも2円近く、それを往復したので計3.5円を超える大変動だった。

ドル/円は144.10円前後で寄り付いたのち、日中高値の144.30-35円を示現。そのあたりまではやや静かだったが、底堅さのうかがえた143円後半を下回ると、一気に142円半ばまで1円以上値を崩す展開をたどっている。ただ、目先底入れ後のドル買戻しも急速で、再び144円台に戻すなど値動きは非常に荒っぽい。16時現在では、寄り付きと同水準の144.10円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「日米金融政策」と「中国情勢」について。
前者は、昨日東京時間に発せられた植田日銀総裁発言「年末から来年にかけて一段とチャレンジングになる」に加え、そののち植田氏が岸田首相と首相官邸で意見交換したことが明らかになると、市場では早期の金融政策の転換が意識され、急速な円買戻しの一助になっていた。一方、米国は発表された雇用データが予想通りで、そのそれものはノーインパクト。しかし、前日までに発表されたADP雇用統計の悪化などが、引き続き潜在的なドルの弱材料となっていたと思われ、本日発表される米雇用統計の内容如何では、さらに市場は弱気に傾斜も。ドル売りが進行する可能性も取り沙汰されている。

対して後者は、習国家主席や李首相がフォンデアライエン欧州委員長、ミシェルEU大統領ら欧州要人と相次ぎ会談するなど、引き続き積極的な外交姿勢をうかがわせる。そのなかで、「互いをライバル視すべきではない」などと融和を促すような発言も聞かれていた。しかし肝心の経済は振るわず、たとえば米紙WSJは中国地方政府の財政悪化を伝えたうえで、「巨額隠れ債務は危機的状況に」と報じていたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は昨日東京から荒れ模様だったが、欧米時間はそれに輪をかけた値動き。ザラ場ベースでは一時141円を付けるなど、結局終日でドルは5円強の変動を達成している。テクニカルにも、ドルの下値リスクが高いことは間違いないものの、昨日NY終値は144円台。つまり、目先安値から2.5円ほど戻して大引けており、そののち本日東京時間に一度も141円台をつけていない。油断は禁物ながら、昨日安値141.62円が当面の底になった可能性もあるだろう。
引き続き日米欧の金融政策が注目されるなか、先でも取り上げたように「日米金利差縮小」観測が徐々に勢いを増してきたようだ。そうした意味では、本日発表される米雇用統計の内容にも要注意で、ドル売り再燃により昨日安値をうかがう展開などを警戒する声もあるようだ。とは言え、果たして「金利差縮小」という思惑だけでどこまでドル売り・円買いを進めることが出来るのか。年初来高値から10円の下落で修正もほぼ一巡し、むしろ底堅さを醸すといった見方も取り沙汰されていた。

テクニカルに見た場合、昨日のドル/円相場は7月安値137.25円を起点としたフィボナッチにおいて、上げ幅の半値戻し(144.60円)どころか、61.8%戻し(142.85円)も一時下回ってきた。下値メドはもはや76.4%戻しの140.70円しか存在していない。
しかしながら、高値151.92円を起点とすれば下げ幅は10円を超え、さすがにドルの下押しも一息ついた感がある。もちろん長い目で見ればわからないが、短期的には意外に底堅い可能性もありそうだ。

本日は米経済指標として、11月の雇用統計や12月のミシガン大学消費者信頼感指数速報が発表される予定となっている。昨日そして本日東京時間もすでに荒れ模様だが、数字如何ではトドメともいえる激しい上下動を再びたどる可能性もあり要注意だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは143.00-145.50円。ドル高・円安方向は145円から145円半ばが最初の抵抗か。上抜けると146円台をスルーし、147円に迫る展開も。
対するドル安・円高方向に、強いサポートはなかなか存在せず。敢えて指摘すれば本日東京安値の142円半ばで、移動平均の200日線もさほど遠くない。「しっかり」下回ると、ドルの下値リスクがさらに拡大しかねない。

ドル円、動揺収まらず、荒っぽい変動続く可能性も

ドル円日足


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