パウエル発言に注目、再びドル買い優勢となるか
〇本日ドル円、148.20前後で寄り付き一時147.60レベルまで軟落するも、夕方には148.25へ上昇
〇予断を許さないがしばらくはドルが底堅く、146.50-149.00といった値動きが続くか
〇本日はNY時間にパウエルFRB議長の発言機会があり、再びドル高方向への動きが強まる可能性も
〇本日は11月製造業PMI確報やISM製造業景況指数など発表予定、要人発言が相場の波乱要因となり得る
〇予想レンジは147.50-148.80、ドル高・円安方向は昨日高値の148円半ばをめぐる攻防に注目
〇ドル安・円高方向は、本日東京安値であり、一目の雲の下限も位置する147.60レベルが最初の下値メド
<< 東京市場の動き >>
1日の東京市場は結果「行って来い」。一時147円半ば近くまで値を下げたものの、攻め切れずその後は買い戻されている。
ドル/円は148.20円前後で寄り付いたのち、時間外取引の米金利低下などもあり147.60円レベルまで軟落。しかし、米金利が下げ止まると、その後は欧米時間の注目材料をにらみつつ、再びドル買いが優勢となった。148円を超えると、夕方には寄り付きレベルを超える148.25円へ。16時現在では、寄り付きとほぼ同じ148.15-20円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「原油動静」と「英国情勢」について。
前者は、当初11月26日に開かれる予定だったOPECプラスが同30日に延期。その30日にようやく開催されたが、追加減産を目指すサウジアラビアの思惑は奏功せず、追加減産で合意は出来なかった。「現状の協調減産規模を維持」となっている。そうしたなか、サウジやイラクなど複数加盟国は来年1月から3月末までの「自主減産」を発表したが、事前に一部欧米紙が「OPECプラスの減産検討」などといった観測記事を流していたことで市場では期待感が強まっていた感もあり、結果的にWTIは失望売りに押される展開に。一時は前日比3%超安を付ける場面も観測されていた。
対して後者は、11月30日の欧米市場では英ポンドがなかなかの乱高下。対円ではロンドンの早い時間帯186.20円台から、一気に187円半ばへと値を上げている。材料となったのはグリーン英中銀委員の発言。「インフレが高止まりする兆候の方を懸念している」などと述べたうえで、「金利は長期にわたり高水準にとどまる可能性がある」との考えを示したことが好感されていたという。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、大レンジの下限147円を割り込み146.67円まで続落したが、その後ドルは持ち直し。本日東京でも148円台を中心とした値動きだった。予断を許さないものの、短期のドル下値トライは失敗、当初のレンジを若干下方修正しただけに過ぎないのだろう。とするなら、しばらくはドルが底堅く、146.50-149.00円といったような値動きが続く可能性も否定できない。
依然として日米欧の金融政策会合に市場の関心が集まるなか、米金利情勢については連日二転三転する展開。とは言え、現在までのところ、11月28日にウォラーFRB理事の発した「数ヵ月先に政策金利を引き下げる可能性」コメントが依然として尾を引き、ドルの重石になっているようだ。しかし、本日はNY時間にパウエルFRB議長の発言が聞かれそうで、そこでウォラー発言が完全に打ち消されるのか否かに注目だ。再びドル高方向への動きが強まる可能性もあるか。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場はなかなか悩ましい足形。移動平均では21日線を下回っているが、90日線よりは上に位置しているほか、一目均衡表でも先行帯の雲の上限を割り込んでいるが、下値は同下限に支えられている。短期的には気迷い商状にあると言えるだろう。上値が重い状況下、90日線などが位置する147円半ばから後半を「しっかり」と下回れるのか否かをまずは見極めたいところだ。
本日は米経済指標として、11月の製造業PMI確報や同ISM製造業景況指数などが発表されるほか、パウエルFRB議長らによるトークイベント参加を警戒する向きもある。本日も要人発言が相場の波乱要因になる可能性も。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは147.50-148.80円。ドル高・円安方向は昨日高値の148円半ばをめぐる攻防に注目。上抜けると149円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値であり、一目の雲の下限も位置する147.60円レベルが最初の下値メド。割り込むと再び147円割れを否定できない。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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