東京市場のドルは148円台を回復、パウエル議長が利上げ余地に言及するか注目
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、実需筋の売り一巡後は値を戻したが、パウエル講演を前に積極的な買いは手控えられ、148円台前半で取引を終えた。
昨晩の海外時間では、10月の米PCEデフレータ(コア)の伸びが市場予想通り鈍化し、2021年4月来で最低となった一方、11月のシカゴPMIが市場予想を上回り、節目の50を回復したことから米10年債利回りが4.36%まで上昇。ドルも148円台半ばまで買われた。
東京時間では、10時の値決めのタイミングで円買い需要が発生したとの観測から147円台半ばまでドルは売られたが、実需の売りが一巡すると切り返した。148円台回復後は、今晩のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演を見極めたいとするムードが強まりもみ合いとなったが、148円台を維持して取引を終えた。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:148円16銭
高値:148円19銭
安値:147円61銭
終値:148円06銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:161円39銭
高値:161円58銭
安値:160円99銭
終値:161円56銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:97円90銭
高値:97円95銭
安値:97円70銭
終値:97円92銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:187円10銭
高値:187円25銭
安値:186円69銭
終値:187円22銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:33537円44銭
高値:33551円57銭
安値:33397円42銭
終値:33431円51銭(前日比−55円38銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
17時00分、米、バーFRB副議長が講演
20時30分、欧、ラガルドECB総裁が討論会に出席
☆23時45分、米、製造業PMI、前回:49.4、市場予想:49.4
24時00分、米、グールズビー・シカゴ連銀総裁が講演
☆24時00分、米、ISM製造業景気指数、前回:46.7、市場予想:47.6
☆25時00分、米、パウエルFRB議長が懇談会に参加
☆28時00分、米、パウエルFRB議長とクックFRB理事が懇談会に参加
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円は、一目均衡表では、遅行スパンが実線を下回っているものの、雲下限の水準を回復しており、いったんは下げ止まりを試す格好だ。
ボリンジャーバンドでは、拡大する−2σを下放れる「バンドウォーク」が発生していたが、11月29日に短いながらも下影(下ヒゲ)を残したことから、短期的な反発は狙えそうな状況にある。リバウンド継続となった場合、20日移動平均線(MA)が位置する149円台半ばがメドとなろう。
今晩の海外時間では、米製造業PMIとISM製造業景気指数のほか、2回予定されているパウエルFRB議長の講演が売買材料となろう。先に発表される米経済指標で上下に振れた後、パウエルFRB議長の講演でも上下に振れる可能性があり、上下の値幅は1円を上回ると想定する。
米経済指標はともに弱い市場予想のため、節目の50に届かなくても、ドル買い材料となる可能性は十分ある。一方、ウォラーFRB理事とメスター・クリーブランド連銀総裁の発言から推測するに、パウエルFRB議長が「タカ派」もしくは「ややタカ派」トーンを維持するのは難しいだろう。前回の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見では、「経済成長が続き労働市場が再びひっ迫すれば、さらなる金融引き締めが正当化される可能性がある」と利上げ余地は残したが、今回の講演で、利上げ余地について言及するのか注目だ。
足元の経済情勢や、足元の政府要人の発言を考慮すると、メスター氏が発した「(今の政策金利は)よい位置にある」というニュアンスのコメントが、パウエルFRB議長から出てもおかしくはない。こうしたニュアンスが含まれた場合、米10年債利回りは再び4.2%台に低下し、ドルは売り優勢となるだろう。
今晩の海外時間も、下を警戒したポジション管理が必要と考える。上値メドは148円80銭、下値メドは146円80銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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