ドル円 もみあい後は再びドル安の流れに(週報11月第4週)

先週のドル円は週後半に日米とも祝日があり、米国では金曜が短縮取引となることもあって、週前半の動きが全てといった感じになりました。

ドル円 もみあい後は再びドル安の流れに(週報11月第4週)

もみあい後は再びドル安の流れに

〇先週のドル円、前週のドル売りの流れを受けドル売り先行、週初147.16レベルの安値をつける
〇その後は金利差のドル買いから149円台後半へ戻し、149円台半ばでもみあいのまま週を終える
〇先々週から先週前半にかけて5円ほどの大きめの調整が入り、やや戻しているという流れ
〇今回の5円の調整からもう一段の調整が入るか、あるいは既に調整が終わったのかを見極める週となる
〇11月高値と先週安値の半値戻し149.52の水準でもみあった後に再度の下げの可能性が高いか
〇今週は147.90レベルをサポートに149.90レベルをレジスタンスとする流れを見る

今週の週間見通し

先週のドル円は週後半に日米とも祝日があり、米国では金曜が短縮取引となることもあって、週前半の動きが全てといった感じになりました。週初は前週のドル売りの流れを受けてドル売りが先行し147.16レベルの安値をつけました。しかし、落ち着くと金利差のドル買いというこれまでの動きが始まり149円台後半へと戻し、週後半は149円台半ばでもみあいのまま一週間を終えました。

ドル円は11月13日に151.91レベルと昨年高値まで3銭に迫りましたが、先々週から先週前半にかけて5円ほどの大きめの調整が入り、やや戻しているという流れです。今週も経済指標や中銀関係者の講演など重要なイベントはあるものの、既に米欧ともターミナルレートに到達したという見方がコンセンサスになっているため、イベントで一時的な動きが見られても、それで大きく方向が変わるというようなことにはならないと見られます。

また大きくはドル高の流れの中でドル安の調整局面はこれまで7〜8円程度の調整が続いていたことを考えると、今回の5円の調整はやや小さく、もう一段の調整が入るのか、あるいは今回は既に調整が終わったのかを見極める週となりそうです。今週はイベント以外にも月末があるため、月末の実需の動きにも注意が必要ですが、先週後半のドルの上値の重さを考えると、まずはドル売りが先行し、どこまで下げるのかを見極める展開となりそうです。

先週安値を割り込むかとなると悩ましいのですが、150円の大台が近くて試しきれない動きを見ていると148円を試す程度の動きはあってもおかしくありません。テクニカルには日足チャートをご覧ください。

平行チャンネル(青)を先々週に下抜け、いったん下げが強まった後の調整局面に見えますが、11月高値と先週安値の半値戻しが149.52と149円台半ばに位置しているため、いったんこの水準でもみあった後に、再度の下げという動きがもっともありそうなシナリオです。

上値は150円を試せそうで試せないという先週後半の動きから149円台後半が目安となりますが、下値は148円をトライできるかどうかという水準ではないかと考えています。今週は147.90レベルをサポートに149.90レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。

もみあい後は再びドル安の流れに

このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみを平均足と同様とすることで、短期的な方向性(白=上昇、黒=下降)を見やすくした独自チャートとなっています。また、一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。

今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)

今週注目される経済指標と予定をあげてあります。影響が少ないものはあえて省いています。FRB地区連銀総裁講演の内、2023年FOMCメンバー(ニューヨーク、シカゴ、フィラデルフィア、ダラス、ミネアポリス)ではない地区連銀総裁はカッコ付で示しました。また、わかりやすさ優先であえて正式呼称で表記していない場合もあります。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。

11月27日(月)
23:00 ラガルドECB総裁議会証言 ☆
24:00 米国10月新築住宅販売

11月28日(火)
09:30 豪州10月小売売上高
10:20 スペイン中銀総裁講演
16:00 ドイツ12月消費者信頼感
16:45 フランス11月消費者信頼感
23:00 米国9月住宅価格、ケースシラー住宅価格 ☆
24:00 シカゴ連銀総裁講演 ☆
24:00 米国11月リッチモンド連銀製造業景況指数
24:00 米国11月消費者信頼感
24:05 ウォラーFRB理事講演 ☆

11月29日(水)
09:30 豪州10月CPI
10:00 NZ中銀政策金利発表
16:00 トルコ10月貿易収支
19:00 ユーロ圏11月消費者信頼感
22:00 ドイツ11月CPI速報値 ☆
22:30 米国7〜9月期GDP改定値 ☆
22:30 米国10月卸売在庫
24:05 英中銀総裁講演 ☆
24:30 週間原油在庫統計
27:45 (クリーブランド連銀総裁講演)
28:00 ベージュブック ☆
30:45 NZ10月住宅建設許可
30:45 豪州11月企業信頼感

11月30日(木)
09:30 豪州10月住宅建設許可
10:30 中国11月製造業PMI ☆
16:00 トルコ7〜9月期GDP
16:45 フランス11月CPI速報値 ☆
16:45 フランス7〜9月期GDP改定値
16:45 フランス10月PPI、消費支出
17:55 ドイツ11月失業率
18:30 パネッタECB理事講演 ☆
18:30 南ア10月PPI
19:00 ユーロ圏11月CPI速報値 ☆
19:00 ユーロ圏10月失業率

19:00 本邦11月介入実績公表
21:00 南ア10月貿易収支
22:30 米国10月個人所得・消費支出 ☆
22:30 米国新規失業保険申請数
23:45 米国11月シカゴ購買部協会景況指数 ☆
24:00 米国10月住宅販売保留件数
**:** OPECプラス閣僚級会合

12月1日(金)
08:30 本邦10月失業率・有効求人倍率
10:45 中国11月MarkIt製造業PMI
16:00 トルコ製造業PMI
17:50 フランス11月製造業PMI
17:55 ドイツ11月製造業PMI
18:00 ユーロ圏11月製造業PMI
18:30 英国11月製造業PMI
23:45 米国11月製造業PMI
24:00 米国11月ISM製造業景況指数 ☆
24:00 米国10月建設支出
25:00 パウエルFRB議長講演 ☆

前週の主要レート(週間レンジ)

前週の主要レート(週間レンジ)

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。
為替の高値・安値は東京午前9時ーNY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

11月20日(月)
 週明けの東京市場ではドル円の売りが加速し欧州市場昼前には148.10レベルまで水準を切り下げました。東京市場では短期筋のストップがストップを呼び込む展開となり、海外市場に移ってからは148円台前半でのもみあいが続きましたが、上値が重たい流れには変化は見られませんでした。

11月21日(火)
 東京市場のドル円は米金利低下も手伝って円高地合いを継続、欧州市場序盤に147.15レベルの安値をつけました。その後米金利が上昇に転じても安値圏でのもみあいを続けていましたが、改めて米金利が上昇しFOMC議事録でもタカ派なスタンスが示されていたことからNYの引けにかけては東京朝方の148円台前半へと戻す行って来いの一日となりました。

11月22日(水)
 ドル円は東京前場は動意薄だったものの、その後は実需のドル買いも出てドル高の動きとなりました。欧州市場前場に一時的に押しは入ったもののNY市場では強い経済指標を受け米金利上昇、ドル買いとなり149.75レベルの高値をつけ若干押して引けました。

11月23日(木)
 ドル円は前日上げていたこともあってアジア時間はドル売りが先行しましたが、148.89レベルまでで149円割れでは買いたい向きもいる様子でした。その後はじり高の展開を辿り、NY時間には149.69レベルまで上昇後、わずかに押して結局前日終値と同じレートでの引けとなりました。

11月24日(金)
 東京、NYとも祝日と週末に挟まれた金曜ということもあって全般に取引は低調な流れが続きました。ドル円は水曜から149円台半ばから後半で上値が重たい展開だったこともあって、朝方の149.71レベルを高値に後場には149.20レベルの安値をつけました。しかし、すぐに買い戻しも出て海外市場では149円台半ばを中心とした小動きのまま引けました。

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