ユーロ 1.10の大台がターゲットは変わらず(週報11月第4週)

先週のユーロドル、週間レンジは112pipsと狭い値幅での取引に留まりました。

ユーロ 1.10の大台がターゲットは変わらず(週報11月第4週)

1.10の大台がターゲットは変わらず

〇先週のユーロドル、1.09台半ばで1.10の大台を試したいという底堅さを感じさせる週
〇ドル円の動きがユーロ円の動きにも影響、ユーロ自体の動き相殺される
〇FRB、ECB関係者共に今後の利上げに消極的、特にECBに関しては材料にしにくくなってきた印象
〇今週は独、仏、欧州圏のCPI速報値発表、方向感が出るほどの展開にはならなさそう
〇ドルインデックスは102.24をターゲットとする流れ、ユーロドルも1.10の大台を超える展開か
〇1.0850レベルをサポートに、大台1.1000レベルをレジスタンスとする流れを見る

今週の週間見通しと予想レンジ

先週のユーロドルはドル円同様というよりもドル全般の動きが週初にドル売り、その後買い戻されて再びドルの上値が重くなるという流れになっていたこともあって、週半ばに1.08台半ばに押す局面はあったものの1.09台半ばで1.10の大台を試したいという底堅さを感じさせる週となりました。しかし、ドル円の動きがユーロ円の動きにも影響したことでユーロ自体の動きは相殺されたため、週間レンジは112pipsと狭い値幅での取引に留まりました。

先週は週後半が米国感謝祭で取引が低調だったこともありますが、12月の一連の金融政策決定会合でFRBもECBも現状維持で既にターミナルレートに到達していると考える参加者が多く、またECB関係者も同様に今後の利上げには消極的な発言をしていることもあって、金融政策絡みは特にECBに関しては材料にしにくくなってきたという印象です。

今週はドイツ、フランス、ユーロ圏のCPI速報値が発表されますが、弱ければ当然現状維持で、強くても現行政策金利を長期化することで対応するという方針になっているであろうことを考えると、一時的な動きはあっても方向感が出るほどの展開にはならないと見ています。

次にテクニカルですが、いつもの日足チャートをご覧ください。

1.10の大台がターゲットは変わらず

先々週に10月安値からの平行上昇チャンネル内の動きを上抜け、7月高値と10月安値の61.8%戻し1.0959にも到達しました。大きく上昇後の高値圏でのもみあいとなると、教科書的には再上昇を考えることとなり、その場合のターゲットは当然1.10の大台を考えることとなります。

いっぽうで下値については上昇チャンネルの上側のラインが1.08水準から前半を上昇中のため同水準を考えますが、直近のもみあいにおける安値1.0824レベルとも重なります。このラインがもう少し上昇し、大台1.10を試した後の反落を考えることとなりますので、今週のところは1.08台半ばから後半がサポートとなります。

こうしたことから、今週は1.0850レベルをサポートに、大台1.1000レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。

今週のコラム

今週はドルインデックスの比足チャートを見てみます。

1.10の大台がターゲットは変わらず 2枚目の画像

最近はドル高からドル安へと調整が進んでいるためドルインデックスも10月高値107.05から下げ、先週には103.07まで水準を下げています。テクニカルにも11月高値からの平行下降チャンネルの中で下げる展開となっていて、もう一段の下げを見そうなチャートです。

ユーロドルに比べるとドルインデックスはダブルトップの反転パターンがよりきれいに現れていて、現在は7月安値と10月高値の半値押し103.15に近い水準にありますが、ここからは次の61.8%押し102.24をターゲットとする流れになっていきそうです。

そうなるとユーロドルも1.10の大台を超える展開が見えてくるかと思われます。

今週の予定

今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。

11月27日(月)
23:00 ラガルドECB総裁議会証言 ☆

11月28日(火)
10:20 スペイン中銀総裁講演
16:00 ドイツ12月消費者信頼感
16:45 フランス11月消費者信頼感

11月29日(水)
19:00 ユーロ圏11月消費者信頼感
22:00 ドイツ11月CPI速報値 ☆
24:05 英中銀総裁講演 ☆

11月30日(木)
16:45 フランス11月CPI速報値 ☆
16:45 フランス7〜9月期GDP改定値
16:45 フランス10月PPI、消費支出
17:55 ドイツ11月失業率
18:30 パネッタECB理事講演 ☆
19:00 ユーロ圏11月CPI速報値 ☆
19:00 ユーロ圏10月失業率

12月1日(金)
17:50 フランス11月製造業PMI
17:55 ドイツ11月製造業PMI
18:00 ユーロ圏11月製造業PMI
18:30 英国11月製造業PMI

前週のユーロレンジ

前週のユーロレンジ

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。
為替の高値・安値は東京午前9時ーNY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

11月20日(月)
ユーロドルはドル円でのドル安の動きを受けてユーロがじり高の動きとなりましたが、ユーロ円での円買いも出ていたため、ユーロドルの一日の値幅は55pipsに留まりました。ユーロ円は欧州昼前にドル円が下げた際に161.78レベルの安値をつけました。

11月21日(火)
ユーロドルは東京市場で1.0965レベルの高値をつけましたが、ドル円とともにユーロ円の売りも出ていたことから1.09台半ばでは上値の重さを感じさせる流れとなっていました。NYの昼前からは全般的なドル買い戻しの動きによってユーロドルも1.0900レベルの安値を見ましたが大台割れは回避して引けました。

11月22日(水)
ユーロドルはドル円同様にドル買いの動きから下げていましたが、ユーロ円がドル円とともに上げた動きが加わったことから、ドル円ほどのドル買いの動きにはつながりませんでした。1.0853レベルの安値をつけ、若干買い戻されて引けました。

11月23日(木)
ユーロドルはアジア時間はドル売りの動きからユーロが買われ1.0931レベルまで上げましたが、欧州市場以降は売りが出て朝方の水準に押した後、やや買い戻されての引けとなりました。

11月24日(金)
ユーロドルは東京後場以降は値幅は伴わなかったものの一貫してユーロ買いの動きを続きました。目立った理由は見当たらなかったものの、ユーロ円が前日高値を上抜け、ユーロ円の買いが強まった結果の動きと見られます。ユーロ円は163.65レベルまで水準を切り上げました。

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