ドル円 金融政策ウィークを前に様子見強まる(週報10月第4週)

今週木曜から来週水曜までが10月の金融政策ウィークとなるため、引き続き動きにくい流れが続きそうです。

ドル円 金融政策ウィークを前に様子見強まる(週報10月第4週)

金融政策ウィークを前に様子見強まる

〇先週のドル円、週初149円台半ばから週末150円間近の水準へ50銭の道のりを緩やかに上昇
〇日銀物価見通し上方修正のニュースで一時149円を割れるも、米金利上昇の動きから再び上昇
〇日銀政策変更に繋がるニュースは国内よりも海外勢が敏感に反応
〇10/26木曜から11/1水曜までの10月金融政策ウィークを前に基本的に様子見の流れが続きやすい
〇今週は149.00レベルをサポートに150.15レベルをレジスタンスとする流れを見る

今週の週間見通し

先週のドル円は火曜の欧州市場で日銀の物価見通しが2%へ上方修正される公算とのニュースを受け、緩和縮小思惑から一時148円台後半まで円高が進みましたが、その前後を除くと週初の149円台半ばから週末の150円間近の水準へと50銭の道のりを緩やかに上昇するだけだったと言えます。

まず日銀の物価見通し上方修正ですが、日銀の緩和縮小に繋がると思われるニュースでは急速に円高に進みその後行って来いで戻すという動きが目立ちます。日銀の政策変更に繋がる可能性があるニュースへの反応は国内よりも海外勢の方が敏感ですが、ここまで急速な動きをするということは、何らかのアルゴリズムが円買いをトリガーし、その後すぐに利食いに動くという動きがあるのであろうと見ています。

特に現行水準は149円台後半で常に介入警戒感もあるため、大口の売りが入るとまさか介入かという焦りが動きを加速していると見られますが、やはり円買いは現状本流では無いことから流れに乗った人が踏み上げさせられて終わりということになります。

そして本流は週初から週末までの緩やかな円安の動きということになりますが、絶対的な日米金利差がある以上、材料が無ければ着実に底堅い動きになって行き、いっぽうで150円の大台では介入警戒感が強く積極的にはしかけられないということで、徐々に天井が低くなっていく階段を昇っているような値動きです。

そして今週木曜から来週水曜までが10月の金融政策ウィークとなるため、引き続き動きにくい流れが続きそうです。注目度が高いFOMCと日銀会合は来週となるため、それまでは基本的に様子見の流れが続きやすいということになるでしょう。ただ、あまりにも値幅が煮詰まってきていますし、かと言ってドル売りはごく短期で無いと仕掛けにくいという状況を考えると、今週も149円台後半を中心としたもみあいに終始しやすいと考えるしかありません。

テクニカルにはいつもの日足チャートをご覧ください。

今週も代り映えしないチャートですが、上値は10月3日の小規模介入水準150.15がレジスタンス、いっぽうで下値は平行上昇チャンネル(ピンク)のサポートライン(現在149.30レベルを上昇中)がサポートとなっています。

これらの2つのラインから得られる答えは149.30〜150.15となりますが、現在の状況を考えると行って来いを伴う一時的な下振れがある程度でしょうか。それでも149円割れには既に買いが集まっていそうですから、今週は149.00レベルをサポートに150.15レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。

金融政策ウィークを前に様子見強まる

このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみを平均足と同様とすることで、短期的な方向性(白=上昇、黒=下降)を見やすくした独自チャートとなっています。また、一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。

今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)

今週注目される経済指標と予定をあげてあります。影響が少ないものはあえて省いています。FRB地区連銀総裁講演の内、2023年FOMCメンバー(ニューヨーク、シカゴ、フィラデルフィア、ダラス、ミネアポリス)ではない地区連銀総裁はカッコ付で示しました。また、わかりやすさ優先であえて正式呼称で表記していない場合もあります。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。

10月23日(月)
**:** NZ、香港市場休場
23:00 ユーロ圏10月消費者信頼感速報値 ☆

10月24日(火)
15:00 ドイツ11月消費者信頼感
15:00 英国9月失業率
16:15 フランス10月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
16:30 ドイツ10月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
17:00 ユーロ圏10月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
17:00 豪中銀総裁講演 ☆
17:30 英国10月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
22:45 米国10月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
23:00 米国10月リッチモンド連銀製造業景況指数

10月25日(水)
09:30 豪州7〜9月期CPI ☆
17:00 ドイツ10月ifo企業景況感
23:00 カナダ中銀政策金利発表 ☆
23:00 米国9月新築住宅販売 ☆
23:30 週間原油在庫統計

10月26日(木)
18:30 南ア9月PPI
20:00 トルコ中銀政策金利発表
21:15 ECB理事会 ☆
21:30 米国7〜9月期GDP速報値 ☆
21:30 米国9月耐久財受注、卸売在庫
21:30 米国新規失業保険申請数
21:45 ラガルドECB総裁会見 ☆
23:00 米国9月住宅販売保留件数
25:45 英中銀副総裁講演

10月27日(金)
08:30 本邦10月東京区部CPI ☆
09:30 豪州7〜9月期PPI
15:45 フランス10月消費者信頼感
21:30 米国9月個人所得・消費支出 ☆
23:00 米国10月ミシガン大消費者信頼感

10月29日(日)
**:** 欧州冬時間に移行

前週の主要レート(週間レンジ)

前週の主要レート(週間レンジ)

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。
為替の高値・安値は東京午前9時ーNY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

10月16日(月)
週明けのドル円は押し目買いと大台150円での介入警戒感とに挟まれ、149.50レベルを中心とした狭い値幅でのもみあいに終止しました。

10月17日(火)
来年の日銀による物価見通しが2%へ上方修正される公算とのニュースを受け、緩和縮小思惑から一時149円割れの動きを見せました。しかし、日計りショートが踏み上げさせられすぐに元の水準に戻すと、強い米国経済指標も加わって149.85レベルへと上昇し高値引けとなりました。

10月18日(水)
ドル円は多少の上下はあったもののNY市場まで小動き、米金利上昇の動きからユーロドルに売り(ドル買い)が入った動きを受けてドル円も上昇、149.94レベルの高値をつけ高値引けとなったものの終日レンジは46銭に留まりました。

10月19日(木)
ドル円は全く動かずの一日、材料的に落ち着いてくるとドル買い再開という流れは続いているものの150円台での介入警戒感も根強く、高値149.96レベル、一日のレンジがわずか29銭という動きになりました。パウエル議長の発言はタカ派とは言えないものの引き締維持のスタンスは変わらず、10年債利回りも4.996%まで上がりました。

10月20日(金)
ドル円は東京市場では動かず、欧州市場に入り植田日銀総裁の緩和継続発言をきっかけに円売りが出たものの高値は149.99レベルと介入警戒感は強いまま。一時大口の売りに149.69レベルをつけたものの、これが一日のレンジとなりました。売りが出た後はすぐに元の水準へと戻しましたが上値は重いままでNY市場では東京朝方の水準に押して引けました。

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