目先はレンジ継続か、米金融政策など注視(6/12夕)

週明け12日の東京市場は小動き。139円半ばを中心とした一進一退で、積極的な動意は手控えられている。

目先はレンジ継続か、米金融政策など注視(6/12夕)

目先はレンジ継続か、米金融政策など注視

〇本日のドル円、139.25-65の狭いボックス内の動きで方向性は乏しい
〇市場の関心は目先138.76-140.45という足もとのレンジを上下どちらに抜けていくのかに集まる
〇140円超えで本邦円安牽制懸念が高まりドルの上値を抑えるが、実弾介入は142-143円からになるか
〇ドル高円安方向は先週末高値139.72が最初の抵抗、抜ければ140.25や140.45などを意識
〇ドル安円高方向は、139円近くの21日MAが最初のサポート、割り込むと先週末安値138.76がターゲット
〇欧米時間のドル円予想レンジは139.00-140.00

<< 東京市場の動き >>

週明け12日の東京市場は小動き。139円半ばを中心とした一進一退で、積極的な動意は手控えられている。

先週末、ウクライナ大統領がビデオ演説で「ロシアへの反転攻勢すでに開始した」と明言したことが話題に。一方、11日に北朝鮮が当初予告した「衛星発射の期間」が終了を迎えたものの、日本の防衛省は破壊措置命令の延長を決定したと発表している。
そうした状況下、ドル/円は139.30-35円で寄り付いたものの、基本はレンジ取引。終日を通し139.25-65円といった狭いボックス内の動きで方向性は乏しかった。13-14日に実施される米FOMC待ちで、売買は総じて見送られている。16時現在では、139.50-55円で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、先週大荒れの様相を呈していたトルコリラは、週明け早々から安値を更新する展開。ロイターが週末に「米金融大手GSは顧客向けレターで、預金金利水準である40%まで金利を引き上げる可能性を示した」などと報じたものの、リラ安の流れは変わらなかった。

一方、材料的に注視されていたものは「中国情勢」と「ウクライナ情勢」について。
前者は、「ブリンケン米国務長官が今週中国を訪問し、18日に北京で当局者と会談する」といった報道が観測される反面、領土問題などをめぐっては引き続き西側諸国と激しいやり取りが幾つも観測されていた。そのなか、とくに興味深かったのは韓国とのせめぎ合い。韓国が中国大使を呼び出し「政権批判」を抗議したことについて中国が反発。駐韓大使を呼び出し抗議するという報復措置を取ったことを明らかにしていた。一方、それとは別に米紙WSJが報じた「中国、19年からキューバにスパイ拠点置き米国監視」といった内容をめぐり物議を醸していたようだ。

対して後者は、内容的には大きく2つにわけられ、そのひとつは前述したウクライナ軍による「ロシアへの反転攻勢開始」。ロシア国防省からは、ウクライナに供与された独製主力戦車「レオパルト」などを破壊したと発表されているが、トータルとしては劣勢に立たされているとの見方が有力だ。一方、先週発生した「ヘルソン州のダム決壊」について、誰が事件を起こしたのか引き続き犯人探しも取り沙汰されるなか、タス通信が「ロシア側下流域で6000人超が避難」と伝えるなど一般人を巻き込み、被害が広範囲に及んできたことが明らかにされている。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は短期的な方向性を喪失している。実際、先週のドル/円は週間レンジが138.76-140.45円と1.7円ほどにとどまっている。今年2番目の週間最小変動幅だ。いましばらく、そんな狭いレンジ取引が続く公算が大きいものの、問題は前段でも取り上げた13-14日の米FOMC後。方向性は別にして、さすがに前後してレンジ放れする公算が大きいと予想しており、そうした意味で足もとは「嵐の前の静けさ」だろうか。
今週は13-14日の米国に続き、週末にかけて日欧も金融政策の発表を行う予定となっている。日米欧それぞれの動きに要注意だ。
一方、現状の139円台であればともかく、140円を超えていくようだと本邦からの「円安けん制」懸念が一気に高まることになりそう。昨年の動きを鑑みても、実弾介入は早くて142-143円からと考えるが、それでもけん制発言がドル/円の上値を引き続き強く抑制する可能性はある。

テクニカルに見た場合、ドル/円は目先138.76-140.45円という1.7円ほどのレンジを形成し、基本的にはそのなかでの値動きか。つまり、市場の関心は足もとのレンジを上下どちらに抜けていくのかだが、仮に抜けても138.44-140.93円という先月末からの大レンジのなかにはとどまるといった声も少なくない。ただ、今週は週央以降注目材料が続くだけに、それよりあとの値動きにはいまから十分に注意しておきたいところだ。

本日は米経済指標として5月の財政収支が発表されるほか、米財務省による10年債の入札なども実施される見通しだ。またバイデン米大統領とNATO事務総長の会談も予定されているものの、金融市場に与える影響は限られそうとの見方も少なくない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは139.00-140.00円。ドル高・円安方向は先週末高値の139.72円が最初の抵抗。抜ければ140.25円や140.45円などが意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、じりじりとレベルを切り上げ139円近くへと達してきた移動平均の21日線が最初のサポートか。割り込むと、先週末安値138.76円がターゲットとなる。

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ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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