来週の日米欧中銀会合にらみ基本はレンジか(6/9夕)

9日の東京市場はドル堅調裡。値幅は小さいが、「寄り付き安・大引け高」の様相で終盤にかけてドル買いが目に付いた。

来週の日米欧中銀会合にらみ基本はレンジか(6/9夕)

来週の日米欧中銀会合にらみ基本はレンジか

〇本日のドル円、138.90-95で寄り付き138.75レベルへ下げるも、終盤に掛けて139.45レベルまで上昇
〇ドル円は昨日高値から1円を超える大きな下押しに見舞われるも、本日東京時間は139円台前半での推移
〇来週の米FOMCなどをにらみつつ、基本的には方向性の乏しい往来相場が続く展開か
〇本日欧米時間のドル円予想レンジは138.80-140.20、ドル高・円安方向は140.20-25が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、本日東京安値138.75レベルをめぐる攻防にまずは注目

<< 東京市場の動き >>

9日の東京市場はドル堅調裡。値幅は小さいが、「寄り付き安・大引け高」の様相で終盤にかけてドル買いが目に付いた。

ドル/円は138.90-95円で寄り付いたのち、138.75円レベルへと小緩み日中安値を示現。しかし、その後は緩やかな右肩上がりをたどると終盤に掛けては139.45円レベルまで値を上げている。米金利上昇などが追い風になったようで、結局16時現在ではそのままドルは高値圏で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、発表された中国経済指標をにらみつつ、豪ドル買いが目立つ格好。対円では年初来高値を再び更新する93.70円レベルまで値を上げる局面も。

一方、材料的に注視されていたものは「ウクライナ情勢」と「中国情勢」について。
前者は、依然としてロシアorウクライナ、どちらが事件を起こしたのか確定しないまま、ウクライナで6日に発生した「大型ダム破壊」が予想以上の大問題となってきたようだ。たとえば、IAEAによると「原発は決壊ダム貯水池からの給水が続いている」とされるが、広大な農地の冠水が事実として観測されているほか、ウクライナ食料省は「砂漠化」の懸念を表明するとともに「国際的な食料安全保障の懸念になる」危険性を指摘していた。続報などにも引き続き注意を払いたい。

対して後者は、日本の防衛省から「中国海軍の測量艦が屋久島付近で領海侵入」との発表が聞かれるなか、「沖縄南方で中国情報収集機を初確認、空自が緊急発進した」との指摘も。台湾だけでなく日本を取り巻く環境についても不穏な状況となっているようだ。一方、それとは別に米紙WSJが「中国が米国の『裏庭』にあたるキューバにスパイ施設を設置する計画で大筋合意」と報じ話題に。真偽を含めた続報待ちといったところだが、情勢次第では融和ムードに水を差し、外交問題に発展する可能性もありそうだ。

<< 欧米市場の見通し >>

予想通りというべきなのか、昨日のドル/円相場は一時140.22円まで値を上げるも定着できず。むしろ1円を超える大きな下押しに見舞われると、138円台まで下落している。ただ、前述したように本日東京時間は139円台前半での推移。ワイドに見た場合の5月末からの138.44-140.93円という2.5円レンジにとどまっているだけでなく、期間を狭めた139.00-140.50円という1.5円レンジにもほぼ集約される値動きだ。来週の米FOMCなどをにらみつつ、本日も方向性の乏しい往来相場が基本的に続く展開か。
来週は13-14日の米国、FOMCに続き日欧も金融政策の発表を行う予定となっている。うち米国については、ブラックアウト期間で通貨当局者からの発言が控えられるなか、発表される米経済指標に一喜一憂している感を否めない。本日も来週に予定されている日米欧それぞれの金融政策をにらみ思惑が交錯するなか、明確な方向性は出にくいと予想。ドル/円でいえば139円台を中心とした一進一退か。

テクニカルに見た場合、ドル/円は短期的な139.00-140.50円という1.5円レンジを一時底割れするも、そののちレンジ内へと回帰。つまり、前記レンジを20ポイントほど下方向へと拡大させただけに過ぎない。いずれにしても、短期的には来週予定されている日米欧の金融政策をにらみつつ、昨日新たに形成した138.80-140.50円というレンジのなかにとどまりそう。ただレンジ内での乱高下には一応要注意。

本日はこれといった米経済指標の発表はなく、そうした意味でやや手掛かり材料難。しかし、カナダが発表する5月雇用統計などには一応要注意。また、実施される予定の岸田首相とゼレンスキー氏による電話会談や、「トランプ前米大統領起訴」に絡むニュースなども場合によっては波乱要因のひとつに。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは138.80-140.20円。ドル高・円安方向は昨日そして一昨日高値にもあたる140.20-25円が最初の抵抗。抜ければ140.45円、そして140.93円などが意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、昨日安値も近い本日東京安値138.75円レベルをめぐる攻防にまずは注目。近くには切り上がってきた移動平均の21日線も位置しており、仮に割り込んでも底堅そうだが果たしてどうなるか。

来週の日米欧中銀会合にらみ基本はレンジか

ドル円日足


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