早くも先週高値更新、ただ上値は重いか
〇本日のドル円、133.80レベルで寄り付いたのち揉み合い、トータル50ポイントにとどまる値動き
〇わずかにドルは買い進められ先週高値134.04超え134.20台へ続伸するも、16時現在134.00-05で推移
〇本日、米経済指標として4月NAHB住宅市場指数や2月の対米証券投資が発表予定
〇ドル高円安方向は東京高値134.20レベルが最初の抵抗。超えると134円半ばがターゲット
〇ドル安円高方向、133.40-50の弱いサポート下回れば133円割れ、90日線や一目の雲の下限目指す展開
〇欧米時間のドル/円予想レンジは133.40-134.70
<< 東京市場の動き >>
週明け17日の東京市場はドルが小高い。先週高値を超える134.20円台まで一時上昇する局面も観測されたが上値も重かった。
先週末、和歌山市で演説を行った岸田首相に爆発物が投げつけられるという「テロ事件」が発生し、週末は関連話題で持ちきりに。また軽井沢G7外相会談が始まるなど、重要な国際会議をめぐり様々な思惑も飛び交っていた。
そうした状況下、ドル/円は133.80円レベルで寄り付いたのち基本は揉み合い。値動きもトータル50ポイントにとどまっている。ただ、わずかにドルは買い進められたことで先週高値134.04円を超え、134.20円台まで続伸する局面も。しかし上値は重く、定着出来ずに軟落すると16時現在では134.00-05円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策」と「G7会合など」について。
前者は、先週発表された米経済指標も全体的に冴えなかったが、週末14日に発表された3月の鉱工業生産や4月のミシガン大学消費者信頼感指数速報値は良好な内容。またウォラーFRB理事からも「かなりの期間、引き締め維持する必要がある」といった強気コメントが発せられていたようだ。ただ、週末にはCNNが米財務長官は「FRBの追加利上げが不要になる可能性がある」と述べたと報じたほか、シカゴ連銀総裁は「米国で今年、リセッションが起こる可能性は確かにある」と指摘していたという。米金融政策について当局サイドも一枚岩でなく、考え方にもバラツキがうかがえ、まだら模様と言えるかもしれない。
対して後者は、先行して始まっていたG7気候・エネルギー・環境相会合が終了。採択した共同声明で、日本の福島処理水放出について「IAEA調査を支持」と明記されている。そうしたなかG7外相会合が軽井沢で始まり、早々に「北朝鮮による度重なる弾道ミサイル発射を強く非難」との声明が発せられていたうえ、中国の力を背景とした一方的な現状変更の試みへの反対で一致したと伝えられていた。なお、それらとは別に前述したように岸田首相を狙ったと思しきテロ行為が起こったこともあり、フランス紙レゼコーは「G7の会議が相次いで開かれるのを前に日本は今後数週間にわたり、国内の警備を強化せざるを得ない」といった論調で報じていたという。
<< 欧米市場の見通し >>
本日のドル/円相場は先週高値134.04円を早々に超えたものの、定着したと言えないところが悩ましい。また、一目均衡表では134円半ばに位置する先行帯の雲にとどかず、強い抵抗として寄与していることが再確認されたとも言えそうだ。リスクという意味ではドル高方向にバイアスが掛かりそうだが、頭も重そう。135円は近そうにも思えるが、意外に遠いイメージを抱いている。
米金融政策への関心が引き続き高いものの、肝心の見通しについては前述したように強弱は入り混じっている。思惑も交錯しており、トレンドはハッキリしない。いましばらくのあいだ、発表される米経済指標や企業決算、要人発言などに一喜一憂する展開が続く見込みだ。一方、現在実施されている軽井沢G7外相会合を中心とした国際会議、各国の政治ファクターにも一応注意をしておきたい。
テクニカルに見た場合、一目均衡表においてドル/円は現在約2円レンジ、132.50-134.50円に位置する先行帯の雲の中での一進一退となっている。いましばらく、雲のなかを中心とした動意が続く可能性もあるが、雲の下限が横這い推移する反面、上限は少しずつレベルを切り下げてくることが実勢相場にどの程度影響を及ぼすのかに注目だ。強気派からはレンジの上抜けを期待する声も聞かれる。
本日は米経済指標として、4月のNAHB住宅市場指数や2月の対米証券投資が発表される予定となっている。また、本日もステートストリートなど米金融機関の決算発表が予定されており、そちらも引き続き要注意だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは133.40-134.70円。ドル高・円安方向は東京高値である134.20円レベルが最初の抵抗。超えると一目の雲の上限が位置する134円半ばがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、133.40-50円に弱いサポートあり。下回れば133円割れ、90日線や一目の雲の下限などを目指す展開か。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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